その169 ページ27
間接キス事件から何週間か経った。この何週間かの間、私は諸伏警部を避けまくった。
諸伏警部から告白される前にもこんなことをしていたけど、その時よりも激しく避け続けた。
聞き込みなどを行う時、いつも大和班の4人で行動している。でも最近は、私は自分の車で先に目的地に行き、単独で行動することが増えた。
なぜなら、私は諸伏警部とペアを組まされることが多いから。恐らくこれは上原さんの陰謀。
突然協調性のなくなった私に上原さんたちは不思議がっている。大和警部からはまたサボってるとか疑われるけど、ちゃんと結果出してるから向こうは何も言い返せない。
単独行動以外にも、諸伏警部に何か伝える時に大和警部を伝書鳩のように使ったり、私の仕事を手伝おうとしてくれる諸伏警部を冷たく断ったりもした。
ちょっとやりすぎかなと思うこともあるけど、公安の仕事に慣れるまでは諸伏警部とイチャつくわけにはいかない。
とにかく公安の仕事は忙しい。風見さんが寝不足になるのもわかる。
県警の仕事中にも普通に電話とかかかってくるから、単独行動をしないと上原さんたちに怪しまれる。
そして、公安と県警の仕事で手一杯になっていて、羽田浩司の事件については全く調べられていない。
久しぶりの非番の前の晩、バーボンを飲みながら秀一兄さんに電話した。
『お兄ちゃんごめんね。公安の仕事が思ったより多くて例の事件の調査が全然できてない。』
赤「そんなことだろうと思ったよ。」
『どういうこと?』
赤「Aが俺の手伝いまで手がまわらないように、安室くんがAへの仕事量を増やしているんだ。」
『降谷さんがそんなひどいことするかな?』
赤「安室くんは俺を嫌っているからな。俺の邪魔をしたいんだろ。」
『いくらお兄ちゃんのことが嫌いだって言っても、私を巻き込んでまでお兄ちゃんの邪魔するとは思えないよ。』
それに私が公安に入る条件として秀一兄さんと引き離さないでって言ったから、公安の仕事が多いのに秀一兄さんは関係ないと思う。
あ、でも降谷さんは私が秀一兄さんと会うことを許してくれただけで、手伝うことは許してくれてないのかも。
赤「Aは真面目だから、公安も県警も全力で取り組んでるんだろ?」
『まあね。でも私が頑張らないと。』
赤「頑張りすぎて倒れるなよ。疲れたら彼氏候補に癒してもらえ。」
『大丈夫だよ。今は私の好きなバーボンに癒してもらってるからね。』
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年6月16日 20時