その159 ページ16
赤「スコッチと付き合ってたことをその兄が知ってるなら、Aが感じてる罪悪感に気付いてるだろ。」
『気付いてくれてたらもう付き合ってるし、ここまで苦労してないよ。』
赤「そうか。それにしても今日はよくしゃべるな。彼氏候補のことはボウヤには言うなと言って隠したがっていたのに。」
『お兄ちゃんには何でも言える。それとたぶん今お酒飲んでるから。』
赤「明日から仕事だろ？酒なんか飲んでいいのか？」
『いいの。今日はもうこれで終わるつもりだから。』
赤「何飲んでるんだ？」
『ライだよ。さっきまではスコッチ。』
赤「俺と彼氏のコードネームか。」
『一番好きなのはバーボンなんだけどね。あ、組織の幹部はコードネームが与えられるって言ってたでしょ？ウォッカって人いる？』
赤「ああ、もちろんいるぞ。がたいのいい男でいつも黒いサングラスをかけている。ジンという俺の宿敵の側近みたいな奴だ。」
秀一兄さんが説明した人物は銀髪の男の連れの人によく当てはまる。
赤「でも何でそんなこと聞くんだ？」
『今日、そのジンとウォッカって人に会ったかもしれない…』
赤「何⁉」
『東京駅で煙草を落とした人がいたから、拾って渡したんだけど、落とした人の連れの人が今お兄ちゃんが言った人物にそっくりだったの。それから、煙草を落とした人がその人のことをウォッカって呼んでたから。』
赤「煙草を落とした方はどんな奴だ？」
『銀髪の長髪で帽子被ってて目付きがかなり悪かった。それから二人とも全身が黒ずくめ。』
赤「間違いない。それはジンとウォッカだ。何もされなかったか？」
『煙草渡して帰ろうとしたら手首つかまれて、名前を聞かれた。』
赤「そうか。もしかするとAは奴らに気に入られたかもしれんな。」
『またか。』
赤「またってどういうことだ？」
『前に降谷さんといる時に、クリス・ヴィンヤードを名乗るお姉さんに会って、そのお姉さんにも気に入られたみたいなんだ。』
赤「ベルモットにも会ってたのか。」
やっぱりあのお姉さんのコードネームはベルモットで合ってたみたい。
赤「A、組織の奴らと接触してしまった以上、狙われる危険性がかなり高くなった。例の件は特に注意して行うんだぞ。何かあったらすぐに連絡しろ。」
『わかった。気を付けるね。』
赤「じゃあな、切るぞ。」
『あ、待って！降谷さんも組織に潜入してるならコードネーム持ってるよね？降谷さんのコードネームは何？』
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年6月16日 20時
