その105 ページ10
『まあ…そう…ですね…』
上「じゃあやっぱり両想いね!Aちゃんと諸伏警部なら二人とも優秀だし、絶対にお似合いだわ!」
諸伏警部とお似合い⁉降谷さんともお似合いだって言われたし、結局私は誰とでも似合う都合のいい女なんじゃないの⁉
『でも、お付き合いすることはできません。』
上「どうして?」
『だって私には彼氏がいます。』
上「でも、Aちゃんの彼氏さんて亡くなったんじゃ…」
『そうです。でも、婚姻届と指輪をもらいましたから、自分では結婚したつもりでいます。それに彼氏のことは今でも大好きですので。』
上「Aちゃん、一途なのね。こんなにAちゃんから想われてる彼氏さんはきっと幸せでしょうね。」
『そうですね。私も幸せでしたから。』
上「でも、新しい道を進むっていうのもいいんじゃない?」
『新しい道?』
上「そうよ。彼氏さんとの思い出は大切に取っておいて、これからは諸伏警部と幸せな人生を歩む。」
『それでいいんですかね?』
上「いいわよ!彼氏さんを忘れるわけじゃないんだし。私もAちゃんの気持ちよくわかるわよ。夫が私を愛してくれていたのは知ってるけど、やっぱり好きだものね!」
『大和警部のことですか?』
上「そ、そうよ。とにかくよく考えてみて。諸伏警部なら顔もいいし学歴もあるし結婚するには申し分ないんじゃない?」
『え、結婚とかそんなとこまでは!第一まだ好きなのかわかりませんし。』
上「大丈夫よ。絶対次の食事で告白される。私が予言するわ!」
時計を見るともうすぐお昼休憩が終わる頃だった。まさか上原さんとこんなに恋バナするなんて思ってなかった。
上「私はAちゃんと諸伏警部のこと応援するからね。」
『そんなこと言われましても…』
上「Aちゃん、選択肢はひとつじゃないのよ。彼氏さんのことを大切に思うのもいいけど、これからの人生のことも考えないと。諸伏警部ならきっとAちゃんを幸せにしてくれるわ。」
選択肢はひとつじゃない…このままヒロとの思い出に閉じこもるか、諸伏警部と人生を歩むかの2択ってことか。
そんなことより、諸伏警部が私を好きなのかはまだわからない。上原さんはああ言ってたけど、優しくしてくれるのは病室で言ったように、私が諸伏警部に似てるからだと思う。(まだ見つけられてないけど)
それに私自身も諸伏警部のことが好きなのかよくわからない。たぶん好きなんだろうけど、それにはきっと別の理由がある。
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時