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その140 ページ46

食事の片付けのお手伝いをしてからリビングに入ると、沖矢さんの他に工藤優作大先生とコナンくんがいた。

沖「昨日言った通り、Aさんとお話しておきたいことがあります。そこに座ってください。」

沖矢さんに促されてふわふわのソファに座った。コナンくんもいるし口説かれるわけではなさそうだな。

沖「まずはこれを見ていただきたい。」

沖矢さんは自分が着ているハイネックを少し下げた。隠れていた首にはチョーカーのようなものが巻いてあった。

『チョーカー、ですか?』

沖「これはチョーカー型変声機といって、喉の振動で声を自由に変えることができる。ボタンを押すと…」

沖矢さんはチョーカーにあるボタンを押した。

赤「このように声が変えられる。」

『えっ…』

今、秀一兄さんの声に変わった気がしたんだけど…

『えっと…どっちが本当の声なんですか?』

赤「もちろんこっちが本物に決まってるだろ、A。」

やっぱり秀一兄さんの声!それに私の名前を呼び捨てで呼んでくれた。

『え、でも、顔は沖矢さんのままだし、どういうこと?』

赤「それはこういうことだ。」

沖矢さんは眼鏡を外してからあごの辺りに手をかけ、ビリッと何かを破って剥いだ。

『ええっ!脱皮⁉』

沖矢さんの顔を剥いだ下には、信じられない人物の顔があった。

赤「Aらしい表現だな。」

『…秀一兄さん…どうして…?死んだはずじゃ…』

死んだはずの秀一兄さんが生きて動いてしゃべっている。一体これはどういうこと?

『いや、もしかしたらこれはキッドか何かが秀一兄さんに変装して私を驚かしているんだ。』

そう思った私は秀一兄さんらしき人物に近づいてほっぺを思いっきり引っ張った。

コ「(赤井さんにこんなことできるのはA警部だけだな…)」

どんなに引っ張ってもほっぺが赤くなるだけで、さっきのように皮が剥がれない。

『変装じゃない…てことは本物⁉』

赤「(引っ張りすぎ…)当たり前だろ。」

『でも秀一兄さんは死んだって…それなのになんでここにいるの?なんで沖矢さんに変装してるの?』

赤「今からその話をしようと思ってな。すみません、ここからは兄妹二人で話したいので、席を外してもらってもいいですか?」

優「ああ、そうするとしよう。」

工藤優作大先生とコナンくんはリビングを出て行った。二人がここにいた意味あったの⁉

『本当に、秀一兄さんなんだよね?』

赤「さっきからそう言ってるだろ。そろそろ疑うのはやめろ。」

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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時

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