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その120【過去編・伊達】 ページ26

伊「実はな、俺、彼女ができたんだ。」

『えっ!彼女⁉おめでとうございます!』

伊「ありがとな。俺は老け顔だからあいつらには見た目では負けるけど、ちゃんと好きになってくれる人がいるんだな。」

『見た目なんて関係ありませんよ。伊達さんは頭もいいし体力もあるし、頼れる兄貴って感じです。それに刑事として熱いハートを持ってますから、きっと彼女さんは伊達さんのそんなところに惹かれたんだと思いますよ。』

伊「そんなに言われると照れるじゃねぇか!」

『いいじゃないですか、私も伊達さんのそういうところ好きですよ。あっ、こんなこと言ったら彼女さんに怒られる。』

伊「ハハハッ、ナタリーなら許してくれるよ。」

『ナタリー?彼女さんて外国の方ですか?』

伊「いや、ハーフなんだ。北海道出身で今は英会話講師をしてるんだ。」

『ハーフなんですか。ぜひ会ってみたいです!』

伊「ああ、今度紹介するよ。」

今度と言いながら、次に私が東京に来たのは松田さんの一周忌、つまり伊達さんとこの会話をしてからほぼ1年後で、ナタリーさんと会えたのも1年後だった。

ナタリーさんに会う前に伊達さんとお墓参りに行き、松田さんと萩原さんの二人のお墓に煙草をお供えした。

伊「煙草か、そういや二人とも喫煙者だったな。」

『萩原さんのお墓参りに来た時、松田さんが言ったんです。もし俺が死んだら煙草供えてくれって。まさか本当に亡くなるなんて思いませんでしたけど…』

伊「それほど敵討ちに命懸けだったってことだな。Aも気ィつけろよ。」

『何にですか?』

伊「刑事といえど命は1つ、気持ちの張り所を間違えるなよ。Aが死んじまったら諸伏なんて後追い心中しかねないからな。」

『それを言うなら伊達さんだって同じですよ。ナタリーさんがいるんですから、絶対死なないでくださいね。』

伊「そうだな。お互い大切な人がいるから簡単には死ねねぇな。」

『少なくとも私は伊達さんとナタリーさんの結婚式を見るまでは死にませんからね!』

伊「ハハハッ、なら俺はAの花嫁姿を見ないといけねぇな。もちろん相手は諸伏な!」

『ありがとうございます//』

その後、待ち合わせをしていた喫茶店でナタリーさんを紹介してもらった。

ナタリーさんはとても美人で優しくて、さすが伊達さんが惚れた女性なだけある。

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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時

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