その98 ページ3
降谷さんはジャージを着てくれた。普段は裸で寝てもらってもいいけど、私がいるんだからせめてシャツくらいは着てほしかった。
『降谷さん、夜中に勝手に家に入ってその上寝てしまってすみません。連絡しようと思ったんですけど眠くて…』
零「いや、いいよ。Aが京都で頑張ったことは知ってるからな。犯人を確保したことを俺に報告しに来たんだろ？」
『え？』
零「ん？違うのか？」
『私が東京まで来たのはコナンくんを送り届けるためですよ。』
零「え、コナンくんを⁉」
『そうです。コナンくんは京都に用事があったらしくて、私はコナンくんと話したいことがあったから帰りに東京まで送ってあげたってわけです。』
零「そうだったのか。話したいことって何だ？」
『…ホームズの話です。そういえばコナンくんに私と降谷さんが知り合いだってバレてたんですけど。』
零「やはりな。彼なら気付いていると思ったよ。」
『コナンくんは安室さんの正体も知ってるって言ってましたよ。』
零「ああ、彼とはいろいろあったからな。彼は俺以上に怖い男のうちの一人なんだ。」
『他にもいるんですか？』
零「Aは知らなくていいことだ。朝ごはん食べるか？」
降谷さんは立ち上がって台所に行ってしまった。私は知らなくていいって、そんな言い方されると余計知りたくなる。
『朝ごはんはけっこうです。降谷さん忙しいでしょうから。それより、お風呂貸してもらっていいですか？昨日はお風呂入ってないですし、化粧も落とさず寝ちゃったし…』
零「ああ、いいぞ。今日はまだ時間があるから、その間にハムサンド作っておくよ。」
『ありがとうございます。』
今からお風呂を沸かすわけにはいかないから、シャワーだけしてお風呂を出た。
タイミングが良かったのか降谷さんの意図なのか、ちょうどハムサンドが出来上がっていた。
『やっぱり安室さんのハムサンドおいしいです。約束覚えていてくれたんですね。』
零「当たり前だろ。それにAはよく頑張ったからな。」
『それは降谷さんのおかげですよ。あの時降谷さんが叱ってくれなかったら、きっといつまでもトラウマを引きずってたと思います。』
零「そうか、なら怒ったかいがあったな。ニュースでは高校生探偵の活躍となっていたが、 Aも活躍してたんだろ？」
『私は截拳道でトドメをさしただけですよ。』
零「截拳道…？」
『あのストーカー事件のあとに母から教わったんです。』
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年5月28日 18時
