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その106 ページ11

※夢主出てきません。

《諸伏side》

先週、封筒の確認のため警視庁に来たのだが担当の刑事が出払っていて会えず、今回は怪盗捕獲に協力すべく再び上京した。


「内部の守りを固めずに外部を攻めるのは愚策である」ということで、怪盗キッドの狙う宝石を氷の中に入れる策を提案した。


結局キッドには宝石を持って逃げられたが、目当ての宝石でなければ持ち主に返すのがキッドの手法。今ごろ本当の持ち主の元に届けられているでしょう。


警視庁で担当の刑事が私宛らしき封筒を持ってくるのを待つ。警視庁で封筒が発見されたのなら、封筒を持っていた刑事は景光の知り合いなのかもしれない。


高木「あなた宛で間違いありませんか?」


諸「ええ、私宛でしょう。」


高「では中身の確認を。」


封筒の中身を取り出すと中央に穴の空いたスマートフォンが出てきた。穴の内側に黒ずんだ染みや裏面には傷に見せかけた独特のHがある。


諸「これは私の弟のスマートフォン。警察を辞めたと言っていましたが、これがここに届けられたのなら、恐らく公安に配属されてどこかに潜入中に命を落としたんでしょう。穴は弾痕、黒い染みは血痕でしょうから。」


高「最近亡くなった警察官いましたっけ?佐藤さんはご存知ですか?」


佐「さあ、私も知らないわ。」


諸「あなたが佐藤さんですか。」


佐「え?」


諸「Aさんが、警視庁で佐藤という刑事さんに会ったら伝言を伝えるよう私に言ってきましたので。」


佐「えっAちゃんが⁉それで、伝言って?」


諸「Aさんがあなたをぶってしまったことを謝っていると言っていました。」


佐「あ、そのことね。てっきりもう忘れてると思ってたわ。」


諸「Aさんはあなたをぶったこともですが、謝らずに東京から帰ってきたこともひどく後悔していましたよ。」


佐「そんな、あれは私の発言がいけなかったのに。Aちゃんは何も悪くないからそんなに謝らなくてもいいって伝えてもらえますか?」


諸「わかりました。」


高「あの、この封筒、まだ何か入ってるみたいですけど。」


取り出してみると、それはネックレスと指輪だった。指輪にネックレスを通してあるから、きっと潜入中にも指輪を離さないようにしていたんでしょう。


指輪を手に取って見ると、どこか既視感を覚える。この指輪のデザインには見覚えがある。私が見間違えるはずがない。


この指輪はAさんの付けている指輪と同じデザイン!

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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時

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