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その130【怪盗キッドの絡繰箱編】 ページ36

園子ちゃんに来てほしいと言われて来たのは普通の女子トイレ。女子特有のトイレについてきてほしいってやつ?

園「Aさんにお願いがあるんです。私にメイクしてくれませんか?」

『え、メイク?』

園「そう!キッド様が来るからお洒落しなきゃと思って!少しでいいのでお願いします。」

『私のメイク道具でいいかな?化粧直し程度しか持ってきてないけど。それと人にメイクしてあげたことないから上手くできないかも。』

園「全然大丈夫です!」

トイレにあるパウダールームのイスに園子ちゃんを座らせてメイクを始めた。

『そういえば蘭ちゃんは?』

園「蘭は一般客用のトイレに行ってます。ここはスタッフ専用なんです。」

『どおりで豪華だと思ったよ。』

園「Aさんてほんとに美人ですね。」

『園子ちゃんや蘭ちゃんの方が美人だよ。』

園「蘭はかわいい系だけど、Aさんはザ・綺麗な顔って感じです。」

『そうなのかな?』

園「そうですよ!はぁ、Aさんの彼氏さんはこんな綺麗な顔をもっと近くで拝めるとは…!」

『え、どういうこと?』

園「キスですよ、キス!もちろんしたことありますよね?」

『そりゃあるけど…』

園「やっぱりあるんだ!じゃあファーストキスはいつですか?」

『高1の時かな。トロピカルランドの観覧車で彼氏に告白された時。』

園「キャー、ロマンチック!どうやって告白されたんですか?」

『こうやって後ろから抱きしめられて、俺と付き合ってくれって…』

園子ちゃんの後ろにまわってヒロがしてくれたみたいに後ろから腕をまわした。

園「うっわーイケメン!素敵素敵!」

『はい、メイク終わったよ。彼氏のこと、真純ちゃんには言わないでね。恥ずかしいから。』

園「はーい。メイクありがとうございました。」

トイレを出て蘭ちゃんと合流してから本棚の部屋に戻ると、コナンくんたちはもう戻ってきていた。

奥「あら、お醤油とみりんの匂い。肉じゃがかしら?」

哀「その人、ここへ来る前に肉じゃが作ってたらしいから袖口にこぼしたんじゃない?」

奥「まあ、お料理なさるんですの?」

沖「ええ、まあ…」

奥「私も肉じゃがは得意料理!主人の大好物で、主人のお母様に直々に教わったんですのよ!」

ご主人のお母様から直々に教わり、ご主人の大好物…それならミステリーや怪奇小説以外にも料理本も読まないのでは?

ミステリーや怪奇小説の類は沖矢さんが調べてくれているから、私は料理本を調べることにした。

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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時

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