その79【紅の修学旅行編】 ページ33
綾「相変わらずの粘り強さやなぁ。ほんならAはんは暗号の方を頼みます。捜査と聴き込みは我々が行いますんで。」
『わかった。何か新しいことがわかったら私にも教えてね。』
世「ボクは何をしたらいい?」
『真純ちゃんはもう事件のことは忘れて、修学旅行を楽しみなさい。一生に一度しかないんだから。』
まだ現場にいたいとだだをこねる真純ちゃんを引っ張って廊下に出た。もちろん暗号の紙は写真に撮ってある。
『ねえ真純ちゃん、事件のことはいいからこの修学旅行中は新一くんから目を離さないで。何か妙な行動をしていたらすぐ私に知らせて。わかった?』
世「心配いらないよ。最初からそのつもりさ。やっぱりA姉も気付いてたんだな、彼のこと。」
『まあね。これは私たちしか知りえないことだからね。それで、向こうはこっちのこと気付いてるの?』
世「ああ、10年前に出会ったことは思い出したみたいだよ。ママのことも知ってるしね。」
『(だからあの時ポアロで…)そうだ、服部平次っていう高校生探偵が新一くんの手助けをしてるみたいだから、彼にも気をかけて。見た目は…』
世「色黒で関西弁だろ?服部くんなら知ってるよ。」
『それなら話は早いね。二人のこと頼んだよ。じゃあおやすみ、真純ちゃん!』
真純ちゃんは笑顔でおやすみと返してきた。ほんとにかわいいんだから。
ホテル祇園を出て自分の予約したホテルに向かう。まさかまたマロニーくんと捜査するなんて思っていなかった。私に、現場ではなく暗号を任せたのはきっとマロニーくんの思いやりだろう。
ホテルのベッドに寝転んで暗号を見る。京都の地名に使われている漢字なのはわかったけど、その先がわからない。ボーッと暗号を眺めているとだんだんまぶたが閉じてきて意識を手放した。
翌日、巨大な着信音で飛び起きた。いつマナーモード解除したのかな。電話はマロニーくんからだった。
『もしもしおはよう。暗号なら昨日寝落ちしてまだ解けてない…』
綾「Aはん大変や!阿賀田さんの部屋に天狗が出たんや!それから煙草を投げたら燃えて消えてしもたんや!」
『え?阿賀田さんが天狗になって煙草吸ったら燃え尽きた?寝ボケてるんじゃないの?』
綾「寝ボケてるんはあんさんの方やで。とにかく私は容疑者の話聞くために先斗町の急山っちゅう店に行くから、Aはんも来てください。」
『了解。』
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おひたし(プロフ) - 梨愛さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて私としても嬉しいです。さざ波はもう少し人が集まるまで待ちますね。 (2019年5月20日 8時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
梨愛(プロフ) - 初コメです。警察学校組も長野県警も好きなので更新楽しみにしてます。さざなみ編の話も読みたいですね。更新頑張ってください。 (2019年5月18日 17時) (レス) id: ca993b538c (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - ayuさん» いつも応援ありがとうございます!最近忙しくて更新が停滞してしまって申し訳ないです… (2019年5月17日 12時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼します!更新楽しみにしてます。頑張って下さい!応援してます。 (2019年5月16日 7時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月9日 20時