【名探偵コナン】重なる未来２

その73 ページ27

病室を出て行った諸伏警部と入れ違いに上原さんと大和警部がお見舞いに来てくれた。上原さんが来てくれるのはわかるけど、大和警部は意外だった。

よく私のことをサボりだの何だの言ってくるから、てっきり「サボった罰が当たったな」とか言うと思っていた。でも実際は「早く仕事に戻ってこいよ」なんて言うから度肝を抜かれた。

さらには大和警部お手製のぼた餅も持ってきてくれた。半殺しという名前(大和警部が言うことで怖さが倍増)には驚いたが、味はとてもおいしかった。

諸伏警部や上原さんはもちろん、大和警部までも私を心配してくれていたなんて思うと嬉しくてたまらない。ズタボロだった私の心は長野の3人の優しさで少し癒された。

診察室に入り再検査を受けた。お医者さんには正確に診断してもらいたいから、諸伏警部に話したように東京でのことを全て話した。

上「Aちゃん、どうだった？」

『今日退院してもいいそうです。』

敢「よかったじゃねぇか。また明日から頑張ろうぜ。」

『あ、えっと、それがですね…』

上「何かあったの？」

『今、精神的なストレスが大きいらしくて、仕事はしばらく控えるようにと言われました。特に殺人課なんてストレスを悪化させるってことで…』

敢「そうだったのか。それじゃ仕方ねぇな。」

上「Aちゃんの体調が一番だもの。一課長にも聞いてみましょう。」

一課長に相談したところ、治療に専念するためしばらく療養することになった。せっかく長野に帰って来たのに仕事休むなんて申し訳ないし時間がもったいない。

退院した翌日、特にすることもなくソファに座ってテレビをボーッと眺める。この暇な時間を降谷さんや風見さんに分けてあげたいくらい。

『どこか出かけようかな。』

テレビでは修学旅行シーズンということで秋の京都特集をやっていた。そういや真純ちゃんも修学旅行は京都に行くって言ってたな。

『そうだ、京都行こう。』

療養中だし暇だし傷心旅行ということで京都に旅行に行くことにした。元京都府警だけど、観光で行くのは久しぶり。それからマロニーくんやシマリスちゃんにも会いたいしね。

決断したら即行動に移す私は、すぐにパソコンでホテルを探した。新幹線はわざわざ駅まで行くのが面倒なので、時間はかかるけど京都まで車で行くことにした。

旅行当日、車を走らせて京都へ向かう。一人だししゃべる相手もいないので、車の中でヨーコちゃんの曲をガンガンにかけて。

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