その71【過去編・旅行】 ページ24
だんだん息が苦しくなってきてヒロの胸板を押す。ヒロは普段から鍛えているし、所詮女の私が押したところでびくともしない。
『あ、んんっ…』
このままじゃ酸欠で死ぬと思い、口を少し開く。しかし、口を開けば開くほどキスは深くなっていき、ヒロの浴衣を握りしめる。
キスの気持ちよさと息ができない苦しさで、足に力が入らなくなってきた。立っていられなくなった私は、ヒロの腕をすり抜け床に座り込んでしまった。
『はぁ、あ…ヒロ…//』
座ったままヒロを見上げる。ヒロは熱のこもった瞳で私を見つめながらしゃがんだ。
景「…A…いい…?」
ヒロに名前を呼ばれてキュンとする。ヒロが私に何を求めているのかなんて私にだってわかる。
『…うん…//』
今度は座った状態でキスを始める。だんだんキスにも慣れてきた。その後、ヒロはキスを続けたまま私をゆっくり押し倒した。結んでもらった帯にヒロの手がかかる…
コンッコンッコンッ
ドアをノックする音にビクッとして動きを止める私たち。きっと食事が運ばれてきたんだ。
ヒロが私から少し離れた隙に、急いで起き上がり洗面所に逃げ込んだ。まだ心臓はバクバクしている。
さっきまでヒロと触れあっていた唇に触る。まさかヒロからキスしてくるなんて思っていなかった。それもけっこう激しく。
ずっとヒロとキスしたいとは思っていたけど、実際にしてみると思った以上に苦しかった。それでも、大好きなヒロとキスできた喜びや気持ちよさの方がはるかに勝っていた。
『(もし食事の人が来なかったら、あのまま続きしてたのかな…//)』
想像するだけで恥ずかしくなってくる。半分以上乾いてしまった髪をドライヤーで乾かし、深呼吸してから部屋に戻った。
景「晩ごはん来たから冷めないうちに食べよう。」
『うん、おいしそう。』
ヒロは何事もなかったかのように接してくるから非常にありがたい。さっきのさっきで顔合わせるのはちょっと恥ずかしいなと思っていたからね。
豪勢な料理を二人で食べる。日本料理なんてめったに食べないから、知らないおかずがたくさんあった。
『この天ぷらおいしい!なんていう魚だろ?』
景「ああ、たぶんこの魚はキス…あ…」
『あ…』
キスという言葉に二人とも過剰に反応してしまう。おいしいと言った魚がキスという名前だなんて全く知らなかったからね!決して狙ったわけじゃないからね!
186人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おひたし(プロフ) - 梨愛さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて私としても嬉しいです。さざ波はもう少し人が集まるまで待ちますね。 (2019年5月20日 8時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
梨愛(プロフ) - 初コメです。警察学校組も長野県警も好きなので更新楽しみにしてます。さざなみ編の話も読みたいですね。更新頑張ってください。 (2019年5月18日 17時) (レス) id: ca993b538c (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - ayuさん» いつも応援ありがとうございます!最近忙しくて更新が停滞してしまって申し訳ないです… (2019年5月17日 12時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼します!更新楽しみにしてます。頑張って下さい!応援してます。 (2019年5月16日 7時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月9日 20時