【名探偵コナン】重なる未来２

その63 ページ16

上原さんは帰ってしまい、部屋には私と諸伏警部の二人。寝たままでは失礼なので体を起こした。

諸「体調は大丈夫ですか？」

『はい。ご心配とご迷惑をおかけしました。』

諸「いえ、Aさんの意識が戻って何よりです。」

諸伏警部はベッド横のイスに座った。

『あの…上原さんから聞いたんですけど、諸伏警部が私を運んでくれたって…』

諸「ええ、Aさんが倒れたすぐ近くにいましたので。」

『ありがとうございました。それで…あの…重かった…ですよね…』

諸「そんなことありませんよ。とても軽かったです。食事はきちんととっていますか？」

『食べてます。けど、最近は食欲なくて抜くことが多いかも…』

諸「医師による検査の結果、疲労や睡眠不足が原因で倒れたと思われます。食欲がないことも関係しているようですね。」

疲労と睡眠不足。確かにそうかもしれない。最近忙しいしよく眠れないし。というより、睡眠不足で倒れるとか風見さんに人のこと言えないじゃん。

諸「東京で何かあったんですか？」

『えっ？どうしてですか？』

諸「東京から帰ってからのAさんの顔色が悪く元気がありませんでしたし、優秀なAさんが仕事でよくミスをするようになりましたから。恐らく東京で何か精神的なストレスになるようなことがあったのではないかと。」

すごい。まさにその通り。降谷さん並みにエスパーだな。

『確かにその通りです。東京でいろいろあって、眠れない日が続いてます。』

諸「やはりそうでしたか。よろしければ、Aさんの言える範囲でいいので話していただけませんか？誰かに話せば少しはストレス軽減になるので。」

どうしよう。諸伏警部に東京での出来事を話すのはいいんだけど、ヒロが死んだってことは絶対に言えない。

弟とは長いこと会ってないって言ってたから、きっとヒロが亡くなってることは知らないはず。それなのに弟が死んでいたなんて聞いたら諸伏警部まで病んでしまう。

諸「私に話しにくかったら上原さんを呼んできますけど。」

やっぱり諸伏警部は優しい。そういう優しいところもヒロと同じ。

『いえ、大丈夫です。上原さんにまた来てもらうのも悪いですし。話せる範囲で話します。』

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疲労と睡眠不足で倒れたのは私の経験談です。病院には行ってませんけど…

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