その5 ページ6
『見てませんよ。』
上「もう！せっかくAちゃんが来てくれて班の人数が増えたっていうのに遅刻するなんて！」
敢「遅刻してねぇよ！まだ時間になってねぇじゃねぇか！」
諸「確かに遅刻はしていませんが、定刻ぎりぎりに来るとは後輩たちのいい手本とは言い難いですね。」
敢「いちいちうるせぇんだよお前は！間に合ったんだからいいだろ！」
それから大和警部と諸伏警部の言い合いがしばらく続いた。そういや昨日もこの二人は騒いでたな。やっぱり幼馴染みだから仲良しなんだな。
今日１日はデスクワーク。パソコンは得意な方だし、京都府警の時もやってたから難なくこなせる。長時間画面と向き合った後、一息ついていると大和警部に声をかけられた。
敢「おい、羽田。仕事するときくらいそのピアス外せ。」
『残念ですがそれは無理です。ピアスをつけてるくらいでは仕事に支障は出ません。』
敢「刑事がピアスしてるなんて聞いたことねぇよ。」
諸「京都府警では注意されなかったのですか？」
『されましたけど上司をなんとか説得して許してもらいました。もちろん許可を得た分、倍働きましたよ。』
諸「それほど大事なのですか？その赤いピアスは。」
『ピアス自体にそれほど価値はありませんが、このピアスをつけることに私自身が満足してるんです。』
上「どういうこと？」
『数ヶ月前、兄が亡くなったと家族から聞かされました。これは兄から貰ったわけではないですが、いつも近くに兄を感じられるようにピアスをつけようと思ったんです。』
敢「忘れ形見ってわけか。」
上「お兄さんとは仲が良かったの？」
『兄はアメリカで警察関係の仕事をしていて長いこと会ってなかったんです。でも、たまにメール送ると短いけどちゃんと返してくれて優しさを感じるんです。クールだけど優しくて国民のために働いている兄が大好きで、兄みたいになりたくて私も刑事を目指すようになりました。』
諸「左耳にだけピアスをしているのは何故ですか？」
『兄が左利きだったからです。』
上「赤色が好きなの？」
『兄は赤色のものをよく持っていたので。好きな色かどうかは知りませんけど。』
敢「そういう理由なら外さなくても構わねぇよ。」
『ありがとうございます。』
兄についてはあまり公言することはできないが、納得してもらえる説明をしてピアスをつけることを許可してもらった。嘘は一切ついてない。まあ、赤色にしたのも刑事を目指したのも別の理由があるんだけどね。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rai - イベント参加ありがとうございますとても嬉しいですこの作品も読みました大好きで！これからの作品頑張って下さい！ (2020年8月26日 17時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
小恋 - 番外編 職務怠慢の所、羽田さんは太閤名人だと思います (2020年6月1日 2時) (レス) id: 5d360a6c28 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 楽しみにしてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます！降谷さんはもう少ししたら出てきます。ヒロインが東京にいるうちには再会します！その前にお兄さんと再会ですね(^-^) (2019年5月3日 21時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼します！この作品が楽しみで毎日楽しみにしてます！降谷さんとはどの話で再会するんですか？更新応援してます！ (2019年5月3日 13時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年4月18日 19時
