その17【過去編・馴れ初め】 ページ18
《景光side》
中間テストが終わって、ゼロとギターの練習をする約束をした。ゼロが空き教室の鍵を職員室に取りに行っている間に、俺は図書館に本を返しに行くことにした。図書館に着くと、ドアの横の掲示板を見ながらドアの取っ手に手を伸ばした。
その瞬間にドアが開き、中から出てきた生徒とぶつかった。俺は倒れることはなかったけど、相手の女の子はぶつかった衝撃で床に尻餅をついてしまった。
助けようと手を出すと、女の子はしばらく俺を見つめた後、手を取ってくれた。俺を上目遣いで見つめる様子がかわいくて、女の子の顔に釘付けになる。
『あっ！電車！ダッシュで行けば間に合うかな。』
電車の時間があるらしく、名前を聞く間もなく走り去って行った。バッジや制服の新しさを見るに１年生のようだ。一瞬だけ握られた右手を見つめ、名前だけでも聞いておけばよかったと後悔する。
零「おい、ヒロ！本はもう返したのか？」
景「え、あ、ゼロ。なんでここに？」
零「なんでって、ヒロがなかなか来ないから迎えに来たんだろ。」
景「そうだった、まだ本返してなかった。」
ゼロとギターの練習をしている間もあの子のことが頭から離れなくて、ゼロから何回も注意された。
零「ヒロ、一体どうしたんだよ。なにか悩みでもあるのか？」
景「悩みって訳じゃないけど、ちょっと気になることがあって…」
零「まさかテストじゃないだろうな。あんな問題ヒロなら満点とれるだろ。」
景「それを言うならゼロもだろ。残念だけどテストのことじゃないよ。」
零「じゃあ何なんだ？」
景「それは言えない。」
零「教えろよ！あ、まさか好きな人できたとか？」
景「えぇーなんでそうなるんだよ！まだ好きと決まった訳じゃないし、名前も知らないし、同じ学校の１年生てことしか知らないのにー！」
零「もう8割認めてるじゃないか。」
景「あ゛。なんでわかったんだよ⁉」
零「ヒロの顔見てるとすぐわかったよ。お前と何年一緒にいると思ってるんだ？で、どんな子？」
景「ゼロには敵わないな。１年生の子で、髪が長くて色が白くてとにかくかわいかった。」
零「それだけか？」
景「それだけ。あ、あと電車通学。」
ゼロは呆れていたけど本当にそれしか覚えてない。一瞬だったし顔に釘付けだったし。でもゼロのお陰で自分の気持ちに気付いた。俺はきっとあの子に恋をしている。
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自分で墓穴を掘る景光好き
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Rai - イベント参加ありがとうございますとても嬉しいですこの作品も読みました大好きで！これからの作品頑張って下さい！ (2020年8月26日 17時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
小恋 - 番外編 職務怠慢の所、羽田さんは太閤名人だと思います (2020年6月1日 2時) (レス) id: 5d360a6c28 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 楽しみにしてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます！降谷さんはもう少ししたら出てきます。ヒロインが東京にいるうちには再会します！その前にお兄さんと再会ですね(^-^) (2019年5月3日 21時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼します！この作品が楽しみで毎日楽しみにしてます！降谷さんとはどの話で再会するんですか？更新応援してます！ (2019年5月3日 13時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年4月18日 19時
