その16【過去編・馴れ初め】 ページ17
《Aside》
高校に入ってから初めての中間テストがたった今終わった。小さい頃から勉強が好きで、猛勉強をすることなく偏差値ちょい高めの都内の高校に入学した。双子の兄の秀吉は中学生で将棋のプロ棋士になり、さらなる向上を目指して私とは別の高校に進学した。
一番上の秀一兄さんはアメリカに留学中。高校に合格したことをメールで伝えると、一言「そうか、よかったな。」とだけ返ってきた。もうちょっと、おめでとうとか頑張れよとか言ってほしかったけど、そっけない返事をしてくるところが秀一兄さんらしくて好き。
最終日は部活があるみたいで友達もみんな行ってしまった。今日たまたま部活が休みな私は電車の時間まで図書館に入り浸ることにした。
『テスト最終日に図書館に行くバカはいないよね。あ、てことは私バカだ。』
図書館のドアを開くと、案の定誰もいない。一番奥の目立たない席に座ると急に睡魔が襲ってきた。
『昨日遅くまで起きてたからかな、めっちゃ眠い。誰もいないし寝るか。』
やさしい日の光りと温度で心地よくなってすぐに眠ってしまった。
試験勉強で疲れていたのか夢を見ることもなく熟睡していた。ふと目が覚めて時計を見る。
『えっ！あと5分しかない！早く行かないと！』
鞄を持って急いで図書館の出入口に向かい勢いよくドアを開けた。
『うわっ！』
？「わぁっ！」
ドアの向こうに誰かいたらしく、急いでいた私は誰かと思いっきりぶつかった。
『いったい！』
？「いたた、あ、ごめん、大丈夫？怪我はない？」
『あ、大丈夫です。いきなり飛び出してごめんなさい。』
？「いやいや、俺の方こそちゃんと前見てなかったから。ごめんね。」
ぶつかってしまった男子生徒は私に手を差しのべて立たせてくれた。胸元のバッジには2年生のバッジを付けている。私の高校は胸元にバッジがあり、学年によって色が変わるためこの人が何年生かすぐにわかる。ギターケースを背負ってるから軽音部かなんかかな。
『ありがとうございます。あっ！電車！ダッシュで行けば間に合うかな。』
電車のことで頭がいっぱいだったから、ぶつかった男子生徒に名前も聞かずにその場を後にした。
別に次の電車でもよかったんだけど、早く真純ちゃんに会いたくて駅まで全力で走った。
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過去編に突入しました！降谷と景光出てきます！
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Rai - イベント参加ありがとうございますとても嬉しいですこの作品も読みました大好きで！これからの作品頑張って下さい！ (2020年8月26日 17時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
小恋 - 番外編 職務怠慢の所、羽田さんは太閤名人だと思います (2020年6月1日 2時) (レス) id: 5d360a6c28 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 楽しみにしてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます！降谷さんはもう少ししたら出てきます。ヒロインが東京にいるうちには再会します！その前にお兄さんと再会ですね(^-^) (2019年5月3日 21時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼します！この作品が楽しみで毎日楽しみにしてます！降谷さんとはどの話で再会するんですか？更新応援してます！ (2019年5月3日 13時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年4月18日 19時
