雪男たちとの社内恋愛 (ページ6)

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Aside

亀梨さんに呼ばれて、部屋を出る。

痛いほどの視線を浴びながら。

「…久しぶり、元気そうだな」

『おかげさまで。なにか御用でしょうか、亀梨さん』

「2人なんだし和也って呼んでよ」

寂しそうに亀梨さんが言う。

でももう過去のこと。

いつまでも引きずっていられない。

『そういう訳にはいかないです、それにもう過去のことだし』

「…そっか、まあそうだよな。アイツらいいやつだし、俺たちのことは敢えて言わないでおく、でいいんだよな？」

『そうですね、言う必要もないと思うので』

「…綺麗になったね」

『…え？』

「いや…なんでもない、じゃあ何か困ったことあったら言ってよ」

『ありがとうございます』

本当に大好きだった。

…和也。

大学1年の時、社会人を始めていた和也には合コンで出会った。

見た目はもちろんだけど大人っぽいところとか面倒見のいいところとかかっこよくて、すぐに好きになった。

私から告白して付き合い始めて、すぐに他に彼女がいた事がわかった。

私はただの浮気相手だった。

それが分かってすぐに、一方的に別れを告げて連絡も断った。

お互いの家も知っていたけど、彼は特に来ることも無くそのまま終わった。

私はそれでも好きだった。

あの匂い。私があげた香水。

それに気付いても、気付かないふりをする。

これからは上司として見るんだから。