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目が覚めると、まだ夜中のようで真っ暗。
でも何となく違和感を感じる。
「あ、起きた？」
『ふっかさん…？』
「酔い潰れてたから俺ん家ね、ここ。はい、水」
『すみません…初日にこんな…』
申し訳なさ過ぎて言葉が出ない。
…でもめちゃくちゃ喉が乾いたので、受け取った水を一気に飲み干す。
「どうする？終電もないし、泊まってく？」
『いえ、そういう訳には…』
「でもまだ酔ってるでしょ」
『まあ確かにまだふわふわします』
「いいから泊まっていきな、他の奴らには適当に言い訳してあるから俺とAちゃんだけの秘密ねこれ」
そう言うと、私が寝かされていたベッドにふっかさんが腰掛ける。
「…ね、キスしていい？」
『えっ…？』
「俺結構介抱したんだよ、それに俺本気だからって言ったよね？」
『で、でも…』
「いいから」
そう言ってふっかさんの香水の匂いに包まれた。
『…っ、ふっ…かさ…』
「辰哉って呼んで」
『ふ…』
「呼ばないと離さない」
どんどん深くなるキス。
でも不思議、嫌じゃない。
「ね、呼ばないってことは続けていいってこと？」
『だ、め…』
「だめって顔してないよ」
ニヤッと笑うとふっかさんは、私を押し倒した。
「今なら止められるけど、どうする？」
『…………』
「やめてほしくなさそうだね？」
辰哉って呼べばいいだけなんだけど。
やめてほしくないから呼べない。
「じゃあもうやめないから、呼んでよ辰哉って」
『辰哉…』
「やっぱやめて欲しくなかったんだ？かあいいね」
今日出会ったばかりで、こんなことになってる。
ダメだってわかってるのにやめて欲しくない。
私はこうして、辰哉の誘惑に負けた。
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作者名：momo | 作成日時：2022年7月5日 11時
