私の専属ヒーロー2

脅し文句 ページ37

岩本side




三春の膝枕で眠ってしまっていたあの飲み会から、三春の様子が少し変わった。



「照センパイ、彼女と別れてください」

「…は？」

外回り中、突然の発言に言葉を失った。



「私の方が照センパイに相応しいと思うんですよぉ」

「俺、彼女にしか興味無いから」

キッパリ断ろうと、向き直った俺に納得していない様子の三春はスマホを操作しながら、へぇ、と気のない返事を返す。



「じゃあこれ、彼女さんに見せてもいいですか？」



そう言って差し出されたのは、あの日の居酒屋で隣に座って三春に俺が抱きついて、その片手は胸に置かれている写真。



「…なんだよこれ」

「照センパイ、酔っ払って私にシよって言ってきたの忘れちゃったんですかぁ？」

「…うそだろ？」

「身体にも触れられちゃったしぃ、彼女さんだけじゃなくて上司とかに見せたらセクハラになっちゃいますねぇ？」



全く記憶にない。

でも確かに目の前の写真の中の俺は、三春に絡み付いて身体に触れてる。

自分の顔は見えない角度だけど、これを第三者が見たら言い逃れはできない。



「…頼むから、消して」

「ふふふ！どうしよっかなぁ？」

その写真を機に形勢逆転。



「じゃあ、照センパイ可哀想だからぁ、消してあげます！」

「…ごめん、ありがとう…」

「ただし、条件があります」



.

好きじゃなくても→←影のヒーロー達

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す