私の専属ヒーロー2

待ち焦がれた再会 ページ18

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カチャ、カチャ、と規則的な音を立てながら熟れた仕草で目の前に出されたカクテル。



「オリンピック、っていうカクテル」

『オリンピック？』

「そう、カクテル言葉は、"待ち焦がれた再会”」

どうぞ、と差し出されたグラスを手に取る。

ほんのり甘いオレンジの香りが鼻をかすめる。



『…美味しい』

「飲みやすいけど少し強いから気を付けてね」


そう言って微笑む涼太くんは少し眉を下げていて、その理由はその時の私はまだ分かっていなかった。



そして、目黒くんにはいつものね、と言ってさらっとジントニックを出していた。





「で、どうしたの？Aさん」

『え？』

「会って確信しました、やっぱり元気ないっすよね？」


そう言って顔を覗き込まれると、思わず顔を逸らしてしまう。

目黒くんの目は、いつだって奥の奥まで見透かされているような気がするから。




『…そんなことないよ、』

「あるでしょ」

真っ直ぐに私を捉えた目黒くんの視線。

『…実は、』

話そうと観念した時。



チリン、と扉の開く音がして、シンプルな服装の男性が入ってくる。



「涼太ーなんか食いもん出して、ってなんだめめ来てんじゃん！飯行こって誘っ…たの、に…」


その視線は私とバチッと合った。

ほんの数秒の沈黙だったのに、それにいち早く気付く目黒くん。


「…え、二人知り合い？」


不思議そうな声を出す目黒くんの声が、隣から発せられたものとは思えないほど遠くに聞こえる。





「…待ち焦がれた、再会」

ぼそっと呟く涼太くんの声が聞こえた気がした。







「…翔太、くん」

『…A』




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