あたたかい人 ページ11
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一方的に話を終えて行ってしまった岩本くんに、不安になる。
嫌われたのだろうか。
もう、守ってくれないのかな。
もう、優しく頭を撫でてくれないのかな。
「Aちゃん？行くで？」
『あ、うん』
向井くんには申し訳ないけど、その後向井くんが何を話してくれてたのか覚えてない。
…ただ、ひとつだけ色濃く記憶に残る言葉。
「俺、Aちゃんの事好きやねん、多分一目惚れやってんけど…でも話していくうちにええ子やなって。すぐにとは言わんけど、俺と付き合って欲しい。」
すごく真剣な顔で、顔をほんのり赤らめて。
向井くんの気持ちがすごく真っ直ぐにぶつかってきた。
『…ありがとう、私、』
「まだ言わんで！答えは、まだ出さないで欲しいんよ…俺まだなんも出来てへんから…もっとちゃんと頑張って、また告白するからそれまで考えとって欲しい」
『…分かった、ありがとう』
すごく真っ直ぐな気持ち。
そして頑張りたいという向井くんの発言に、そこまで純粋な気持ちを今無下に扱うような事はしたくなかった。
「分かったら、送ってくで！お家に帰るまでが学校やからな！」
『ふふ、何その遠足みたいなやつ』
「ほら、いいから歩く！」
確かに心地いい。
岩本くんとは違う温かさを感じる。
「ほな、また明日ね！」
『うん！また明日！』
「夜更かししたらあかんでー？ゆっくり休んでな！」
『向井くんもね』
少し名残惜しさを感じる余韻。
向井くんもそれは同じなようで、なかなか立ち去らなかった。
「なぁ、その向井くんってやつ、やめよ」
『え？』
「康二って呼んで！俺もAって呼ぶし！」
『いいよ、康二』
早速呼んでみると目を見開いたあと、真っ赤な顔をした康二。
どうしたのかと思い、顔を覗き込んでもう一度読んでみる。
『…康二？』
「っ！あかん！あかんで！それ！」
『えっ？ご、ごめん！』
「ちゃうねん、えっと…はぁ…ほんま、可愛すぎるやろ」
その一言で今度は私が真っ赤になる。
「…名残惜しいけど、暗なってまうから帰り？」
『また明日ね、気を付けて帰ってね！』
「おう、ありがとう！」
今来た道を戻っていく康二。
優しくてあったかい人。
それがすごく分かった帰り道だった。
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momo(プロフ) - うな！さん» そう言っていただけると執筆意欲が湧きます🫶ありがとうございます！！！ (6月6日 21時) (
レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
うな！ - マジで最高すぎます！！！！続きが楽しみすぎる…！ (6月6日 18時) (レス) @page18 id: 4785f44992 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - さーちゃんさん» ありがとうございます(><)探り探りではありますが、もっとキュンキュンして貰えるように頑張ります🥰 (6月6日 12時) (レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - キュンキュンします😍更新楽しみです😊 (6月6日 11時) (レス) id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momo | 作成日時：2023年6月5日 2時
