私の専属ヒーロー

混ざりだす色 ページ38

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「こっちの方が良くない！？」

『そう？』

「絶対照くんこっちのが好きだと思うけどなー」

『じゃあ、これにする！』


そう言って手に取った黄色の水着。


照の持ち物は何かと黄色が多くて、きっと黄色が好きなんだろうなと思ってたところにめちゃくちゃ可愛い黄色の水着に出会った。



胸元が生々しいときっと嫌がるだろうな、と思って上はオフショル。


念の為、上から着れるようにパーカーとショーパンもゲットした。




由香は照の事はもう吹っ切れたようで、バイト仲間の佐久間くんに想いを寄せているらしい。

写真を見せてもらうと明るい笑顔でピンク髪のイケメンと由香の仲良さそうなツーショット。

由香が前に進めていることを知って、ほっとした。




「じゃ、バイトあるから行くね。海楽しんでね！」

『付き合ってくれてありがと！また連絡するね！』


由香と別れ、電車に乗る。




最寄り駅に着くと夕焼けが綺麗で少し遠回りして、通っていた中学校の方面を回り道して帰ることにした。


中学校の校庭を眺める。


自分が通っていた頃のままの見知ったはずの学校なのに、今通ってる後輩達を見ると懐かしくて遠く、どこか寂しい気持ちになった。


少し歩いて、学校帰りによく寄り道していた公園を横切ると、近隣の高校の制服を着た男の人がベンチに座っていた。



そのまま通り過ぎようとしたその時、






「…A？」


懐かしすぎて空耳まで聞こえるようになったか、なんて思いながら振り返ると、



『…翔太くん……？』




あの時とは全く違う、大人びた翔太くんがいた。





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