ページ ページ3
既に夕闇に包まれたジャルドーレ通り。
ヴィクターは、通りの喫茶店の前に立っていた。
「……開いてない……」
営業時間を過ぎてしまったのか、喫茶の扉は固く閉ざされている。だが、店内には明かりが灯っている。
「こんなときは！『ちょっとカギマシン』！先端の突起を差し込みツマミを回すことで、あらゆる南京錠を開けることが出来る！」
「うちの店の前で堂々と不法侵入を試みるんじゃない！」
ヴィクターの企みは早々に気付かれた。
喫茶の店員であるライナーが店から出てきて、ヴィクターを睨んでいる。
「誰かと思えば、あのヴィクターじゃないか！」
「……何故分かった？」
「そんな変なの持ってる奴は、この辺じゃ貴方くらいよ？」
「変なの呼ばわりするな。此れは自分が作った素晴らしき機構の一つだっていうのに……」
ぶつぶつと不満を述べる彼に、ライナーはため息混じりに言う。
「で、貴方はどうしてうちに来たの？その機械でカギを開けたいだけだったんなら、通報するけど？」
「……コーヒー豆を頂戴しに来た」
「……ヴィクター、うちは喫茶店だから、豆は売る気はないの。そもそも、コーヒーが飲みたいなら普通に客として来てくれたら良いのに」
「それじゃ駄目だ！」
きっぱりと言うヴィクターに、ライナーは呆れた様な顔をした。
「相変わらず、コーヒーマシンでも作ってるの？ま、取り敢えず店の中入りなよ」
二人は、閉店後の店内へと入っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯱丸(プロフ) - うちのブランを登場させていただきありがとうございます！小説の内容もとても面白かったので、更新頑張ってくださいね。 (2018年2月25日 21時) (
レス) id: 933808dc1c (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 通りすがりさん» お話のタイトルが表示されないだけで、お話自体はちゃんと書いてありますよ！占いツクール初心者さんには使いづらかったりわかりにくいシステムもあるかとは思いますが、これから頑張って色々な事を覚えて、素敵な占ツクライフを楽しんでくださいね！ (2018年1月9日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - (続き)
２話､３話があると思われる欄の脇には更新日時が表記されてるのにお話がないので。
(こちらの問題や勘違いだったらすみません。)
ご不快になられたならすみません。 (2018年1月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - いえ…そういう深い意味合いがあるとかでなく、ただほんとに『１話手段の…』の下の段、２話､３話があると思うとこにお話(の選択？)が表示されていないので質問させて頂きました。
(2018年1月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 通りすがりさん» 小説の書き方には詳しい方ですかね？もし良い表現方法があれば、ぜひ教えてください！ (2018年1月9日 16時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キューブ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月3日 22時
