5話 小さな代筆者 ページ19
ロンドンの街中を、一台の馬車が走り抜けていく。こんな時代だから、さして特筆すべき事柄ではないが。
馬車に乗っていたのは二人の技師。一人は手綱を、もう一人は大きな箱を手にしている。
「ヴィクター、その発明品は、一体何をするものなんだ？」
手綱を持った男――自分はチャールズだと思っている男が、隣の技師に尋ねた。
もう一人の、ヴィクターと呼ばれた男は、箱をうっとりと眺めながら言う。
「これは『機械式代筆機』だ。アルファベットの書かれた鍵盤を押すと、セットした紙に文字がスタンプされる。これを使えば、誰でも簡単に活版印刷で作った様な文字が書けるという訳だ！」
「……！それは画期的な発明だな」
「そうだろうとも！これを使えば、自分の手紙が読めないと突っ返してきた愚鈍な輩に一泡吹かせられる！この素晴らしさを分かってくれたか、チェルムスフォード！」
ヴィクターが熱心に訴えているが、チャールズの関心はそこではないようだ。
「これがあれば、盲人でも文字を書けるようになる……書類の代筆だって容易に出来るし、素晴らしい発明じゃないか！きっと、大勢がこれを欲しがるに違いない！やっぱり君は天才だ！」
突然のことに、ヴィクターはきょとんとした。
そして、チャールズの言葉の意味を理解すると、ちょっと照れくさげに頭を掻く。
「……そこまではっきりと言われると、分かり切った事なのに照れるな……流石、ヘイスティングスは自分の事をよく分かってくれるな」
そう言うと、ヴィクターは一層熱心に機械について語り始めた。
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鯱丸(プロフ) - うちのブランを登場させていただきありがとうございます！小説の内容もとても面白かったので、更新頑張ってくださいね。 (2018年2月25日 21時) (
レス) id: 933808dc1c (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 通りすがりさん» お話のタイトルが表示されないだけで、お話自体はちゃんと書いてありますよ！占いツクール初心者さんには使いづらかったりわかりにくいシステムもあるかとは思いますが、これから頑張って色々な事を覚えて、素敵な占ツクライフを楽しんでくださいね！ (2018年1月9日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - (続き)
２話､３話があると思われる欄の脇には更新日時が表記されてるのにお話がないので。
(こちらの問題や勘違いだったらすみません。)
ご不快になられたならすみません。 (2018年1月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - いえ…そういう深い意味合いがあるとかでなく、ただほんとに『１話手段の…』の下の段、２話､３話があると思うとこにお話(の選択？)が表示されていないので質問させて頂きました。
(2018年1月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 通りすがりさん» 小説の書き方には詳しい方ですかね？もし良い表現方法があれば、ぜひ教えてください！ (2018年1月9日 16時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キューブ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月3日 22時
