36 瀬見side ページ37
気まずい部活を終え、やっと俺は帰宅した。
といっても、他人の家だけど。
それにしても他人のフリをするのは大変だ。
白鳥沢の奴と入れ替わっても、多少そいつのフリはできるけど、なんてったって入れ替わった相手は全く知らない人。
「おかえり孝支。ご飯とお風呂どっちがいい〜？」
「うーん。ご飯で。」
俺は階段を駈け上がり、朝起きた部屋へと向かった。
「ふー…。」
ドアを開けてソッコーでベッドにダイブ。
そして今日あったことを一つ一つ思い出した。
「朝起きたら菅原さんと入れ替わってて…。影山に感謝されて…。んで授業何とか受けて…。」
とにかく疲れた。
つーか、烏野には白布みたいな奴はいなかったな。
どちらかというと単細胞が多いな。
数十分後の菅原さんのお母さんの『ご飯できたよ〜』という声が耳に届く前に、俺は眠りについていた。
、
、
、
夢を見た。
俺が烏野のセッターとして試合に出てる夢。
相手は白鳥沢。
セッターは白布だった。
「英太ナイストス!!」
「英太さんナイッサーです!!」
「瀬見さん!!さすがっす!!」
俺はチームの中心としてプレーしていた。
『烏野の瀬見くんすごくない?あのトス回し!!』
『分かる!!ブロック翻弄してるよね!!』
白布が険しい顔をしてこちらを見ている。
……もっと。
もっともっと。
自分の力を誇示したい。
自分の力でブロックを振り切りたい。
「白布ーーーーーーーーーーー!!!何怖い顔してんだ?落ち着けーーーーーー!!!!!!!」
その声の主は菅原さんで。
菅原さんはベンチメンバーだった。
だけど精一杯チームを応援していた。
、
(君の願う世界はここだよ。)
急にどこからか声がした。
(今の君なら思うようにバレーができる。)
…誰だ。この声は誰だ!?
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アヤ - めっっっっちゃ面白かったです！続き期待してます！ (2020年4月3日 22時) (
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作者名：スイカ | 作成日時：2017年3月25日 0時
