菅原さんと瀬見さんが入れ替わっちゃた話【HQ!!】 (ページ29)

今日:32 hit、昨日:21 hit、合計:24,439 hit

28　菅原side ページ29

「獅音～。」

俺は昨日あったことを大平さんに聞きに行った。

「どうしたス…英太。」

「あのさ～。昨日って何があったの??」

大平さんは、少し目線を逸らした。

「そうか…。まだ言ってなかったもんな…。

　昨日な。春高に向けてのレギュラーが発表されたんだよ。それで……。

　

英太な、後輩、白布にレギュラー獲られたんだよ。」

……。だからか。

だから皆気にすんなとか言ってきたのか。

気にすんなとか無理だろ。

本気でやってたやつなら、誰だって気にするだろ。

俺じゃないのに。

瀬見くんのことなのに。

あの時と同じ感情が込み上げてきた。

というか、瀬見くんも同じだったんだ。俺と。

だから、皆俺にいつも通りでいいとか言ってきたのか。いつもの瀬見くんと違うから。

全てが納得した。朝からの皆の言葉。そしてさっきの覚の発言も。

「獅音。実は俺も、烏野ではレギュラーじゃないんだ。1年の天才セッターに獲られたんだよ。

　でも俺はレギュラーじゃなくても、試合に出るために、烏野が全国行くために必死でやってるんだ。

だから、ここでも白鳥沢のために、精一杯やらせてもらうけどいいかな?

まぁ、敵のためにっていうのもおかしいけどな!俺らにとったら、白鳥沢とかラスボスだし。

けど、今の俺は瀬見英太だ。俺なりに、頑張っていいかな?」

自分でも何言ってんだよって思った。

白鳥沢のためにとかおかしいだろ。敵だし。

でも、瀬見くんは多分、俺と同じ気持ちだったんじゃないかな。

俺と急に入れ替わったから、皆のために力尽くせなかったっていうのは瀬見くんにとったら無念以外の何者でもない。

だったら、中身は瀬見くんじゃないけども、俺が全力出す以外の方法ねーだろ!!

「すごいなスガは。いいやつなんだな。

　そんなの、止めるわけないだろ?もちろんいーぞ!!というか、お願いします。」

瀬見くんと俺。

高3、バレー部、セッター以外にこんな共通点があったとは。

もしかしたら、俺達が入れ替わった原因の一つなのかもしれない。