15 澤村side ページ16
朝練開始直後、俺はスガから衝撃的な事実を伝えられた。
どうやら、スガが瀬見英太なんて人と入れ替わっているらしいということだ。
最初はただのジョークだと思っていたが、話していくうちに、今目の前にいるのはスガではなく、全く別の人物に思えてきて、入れ替わっているというのが現実なんだと確信した。
「俺は、白鳥沢でもセッターだったんで、何とか菅原さんの真似はできると思います。でも、皆にバレると色々やっかいなんで……。」
「分かった。お前が瀬見英太くんだってバレないように協力する。」
俺がそう言うと、瀬見くんは安堵の笑みを浮かべた。
瀬見くんは白鳥沢のセッター。こんな状況でもなんだが、色々教えてくれるだろう。
俺はまだそんなに大事に考えていなかった。
「あっ、大地さーーーん!!!!!今からレシーブ練っすよーーーー!!!!!!」
突然、大声が耳に飛び込んできた。
「めっちゃデカイですね、声。」
「あぁ…、あれは西谷。」
いつもはなんとも思わない大声なのに、他校の人のは前だと思うと、少し恥ずかしい。
「すまんな。何かうるさくて。」
「いやいや、うちも結構うるさいのいるんで。そいつ1年だけど若利に張り合ってるんすよ。」
若利って……ウシワカか!!!うわー、本当に白鳥沢の人なんだな。姿は完璧スガだけど。
「大地とスガー。何話してんだー?レシーブ練だけどーー。」
旭が顔を覗かせる。
「おお、ちょっと色々なー。今いくわ。先始めてていーぞ。」
「おお。」
「…………あの………。今の人って、マジで高校生ですか……??」
やっぱりそうなるよな。ドンマイ旭…。
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アヤ - めっっっっちゃ面白かったです!続き期待してます! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スイカ | 作成日時:2017年3月25日 0時