13 菅原side ページ14
「えっ!!!何っどうした英太!?」
そんなたら口さんのいうことを無視し、部室から少し離れたとこまで行った。
「えと……大平さんですよ…ね………。」
えっ、という顔をするたら口さん。
「ど、どうした英太?いつも獅音って呼んでるから苗字忘れたのか……?」
かなり困惑しているようだ、たら口さん。冷や汗が垂れているようにも見える。
そりゃそうなるよな。でも、言うしかねぇよな。
「落ち着いて聞いて下さい……。あの……、
率直に言います。俺は、…………
瀬見英太ではないんです。」
時が止まったような感覚だった。俺も。多分大平さんも。
「嘘だろ……?そういうキャラ演じようとしなくてもいいから…さ…。」
「嘘なんかじゃないです。俺だって未だに信じていませんし、この現実…。大平さんに信じてもらえるか分かんないんですけど……。」
「そうか……。じゃあ、君は誰なんだ…?!」
そうなるよな。まぁ、名前を言わなきゃ信じてもらえないか。うん、正直に言おう。
「俺は、烏野高校の菅原孝支です。3年で、バレー部です……。えっと、ポジションはセッターです…。」
まだ、大平さんは完全には信じていないようだ。当たり前だよな。
こんな漫画みたいな出来事、すぐに信じられないよなぁ。
「あっそーだ、瀬見くんと話しますか?多分、ケータイ繋がると思うんで。」
我ながら名案。
声は違っても、中身は瀬見くんなんだから、きっと信じてくれるだろう。
「……、じゃあ、お願いします。」
そんな大平さんの返事を聞く前に俺はもう、瀬見くんに電話をかけていた。
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤ - めっっっっちゃ面白かったです!続き期待してます! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スイカ | 作成日時:2017年3月25日 0時