異世界人と慈愛の心【名探偵コナン】

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名探偵コナンと言ってまず思い浮かぶもの、それは事件である。考えてみると、私はここに来てから事件を目撃したのは最初の強盗立てこもりと自身が被害者となった事件のみ。

テレビではニュースをよく見るが、犯罪の街と言われている割には事件に遭遇していなかった。

だが、遂に私は遭遇してしまったのだ、久しぶりの仕事で。



「被害者は田村加奈子さん、28歳女性。完全な密室殺人で、部屋は散乱していた……」

「この部屋の前の廊下には防犯カメラもありません」

「……こんな、こんな事が……。一体誰が……」

「星川、お前が第一発見者なのか」

「はい……私だけじゃないんですけど。また違う恐怖を味わいました、……声って、出ないもんですね」

「松田君、彼女の話は私が聞くわ」

「……星川怖がらせるなよ」



田村加奈子さん、女優である。私は偶然この部屋を通っただけで激しい物音が聞こえたので声をかけた、だが中から声はしなかった為おかしいと思い中に入ろうとする。しかし鍵が開いておらず、スタッフの人に鍵を借りてそのスタッフの人と中に入ったらこうなっていた。

私は恐ろしくて体が固まってしまった、スタッフの人が叫び声をあげて皆が駆けつけてきた。ざっくり言うとそんな感じだ。それを女性の刑事に言った。



「成程ね、因みに何でここの廊下を通ったのかしら」

「実はある作品の音楽を担当してまして。そのチェックに呼ばれて第三スタジオの方に行く途中だったんです」

「第三スタジオ……確かにここの廊下を通ると速いわね」

「ですよね」

「ねぇ！Aお姉さんが第一発見者なの！？」

「……コナン君？」



実は小五郎のおじさんが番組に呼ばれてて僕達もついてきたんだ、とコナン君が言った。ここで実感してしまった、これは紛れもなく名探偵コナンの世界だと。

私はコナン君に田村さんを発見した時の事を分かりやすく話した、コナン君は少し考え込んで、ある質問をしてきた。



「ねぇ、鍵を借りに行く前に「待っててください」みたいな事言った？」

「うん、言ったよ。無言で行くのもって思ってね」

「……ありがとうお姉さん！」

「いえいえ、コナン君も捜査？可愛いなぁ」

「い、いや……気になるだけだよ。でも、おじさんに伝えとく！気分悪かったらすぐ休んでね！」

「ありがとう、小さな探偵君」



コナン君、これでバレてないのか……トタトタ去っていくコナン君可愛いなぁ。

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