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少しの間に人が増え、パーティが始まった。どこのパーティよりも圧倒的に警備員が多くて少し違和感があるが、最初は楽しもう。……と言っても飲み物は飲めないしその場を楽しむだけになるが。
「松田さん、楽しんできていいですよ」
「馬鹿か」
「人間です」
「俺はそもそもお前が変な目に合わない為に来てんだ。星川はステージで歌っている時に何も起こらないことを祈っとけ」
「……分かりました。ありがとうございます」
「特に歌い終わった時な、警戒しろよ」
あの予告状にはお前の事も書かれていたからな、と松田さんは目を合わせずにそう言った、まだ恥ずかしがってるようだ。
少し松田さんと一緒にいたらもう時間だと言われ驚く、ずっと松田さんしか見ていなかったような気がする。私が松田さんに手を振ると、松田さんは頑張れよと微笑みながら見送ってくれた。
袖には、沢山の警備員がいる。次郎吉さんの部下の人が厳重に守られたゲージの中からミルキーウェイを取り出す。
「星川さん、髪の毛をあげてください」
「は、はい……」
「ありがとうございます」
部下の人は私の首にミルキーウェイをかける。私の首……というよりは胸元に、キラキラと輝くミルキーウェイがある。凄い……本物を今付けている。
近くで見ると、先程よりも天の川のように金色の粒が散りばめられており、とても幻想的だ。こんな素晴らしい宝石を付けても良かったのだろうか……。部下の人が「お似合いですよ」と褒めてくれる。
「これで歌うのか……椅子が高かった理由は、ミルキーウェイが見えるようにですか?」
「はい、ミルキーウェイと星川さんを綺麗に魅せる為です」
「私みたいな新参者で良かったのか……」
「星川さん、あなたもう世界の織姫ですよ?新参者だとしても、こんなビッグな方がミルキーウェイを身に付けて歌うなんて……海外のメディアだって来てるんですからね」
「そうですか……まあ私は、いつも通り楽しんで歌うだけですね。そろそろなんで」
「はい、頑張ってください」
名前も知らない人だけど、少し話して緊張も解れた。緊張なんてしていたかだって?これでも人間だ、少しは緊張する。
次郎吉さんが壇上にあがって、皆の注目を集める。ミルキーウェイのお披露目だと次郎吉さんが言うと、溢れんばかりの拍手が聴こえてきた。
次郎吉さんは私の名前を紹介、いよいよだと意気込んでいると、次郎吉さんはこっちに来た。私は次郎吉さんが袖に来たのを確認して、壇上……ステージの方に向かって歩いた。
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sou(プロフ) - すごくすごく続きが気になる素敵な作品でした!!多分今後続きないのが残念で仕方ないです!!ここまで更新ありがとうございました! (2022年5月23日 21時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とてもゆっくりではありますが、空いた時間に投稿出来るよう頑張ります!今後もよろしくお願い致します! (2021年6月6日 10時) (レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2021年5月27日 13時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - 白露さん» コメントありがとうございます!更新ペースが以前よりも遅くなってしまい申し訳ないです…。隙間時間を見計らって更新していこうと思います!今後もよろしくお願い致します! (2020年8月12日 18時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。読んでいて楽しくてするする読めました。作者様も大変かと思いますが応援しています (2020年8月11日 23時) (レス) id: 1f971a81e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2020年6月29日 18時