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ある日の事、私はふと思った。夕飯を食べた後のことである。
「松田さん」
「なんだ?」
「最近煙草吸ってませんよね」
「禁煙中」
「はァ!?ちょっと……キャラ被ったんですか!?」
「なんでそうなるんだ!!」
「私煙草の事詳しくないんで何も言えないんですが、イライラしたりするのでは?」
「してるけど全部仕事で発散してる、大丈夫だ」
だけど煙草吸わなかったら松田さんキャラ薄くなりませんか?と言うとものすごい形相で睨まれた。その目にはグサッと一気に心にくるものがあった、さすがに惚れてる人にあんな目で見られるのは痛い。
だが禁煙なんていつからやっていたのだろう、ここの部屋では元々吸わないようにしていたが、ベランダで煙草吸っているのはよく見かけていた。
「急に何で……」
「……体に悪い」
「それだけでやめる人じゃないでしょ松田さんは!」
「言い方が酷いわ、……それと、星川の事」
「ん?」
「煙とか喉に悪いだろ、それに長生きするには煙草は止めねぇと。折角生きたんだからな」
「……そういう事ですか、本当にイライラしてません?煙草止めて最初はイライラするんじゃないですか?」
最近はマシになった、と松田さんは言った。大半の理由は私が絡んでいた、松田さんは本当なら死んでしまっていた身、だけど岡崎さんのおかげで生き延びた。その事には私も関わっているし、いつもベランダで吸っていたのに煙が喉に悪いとか……ツンデレなのは変わりない。
松田さんが人の為を思って行動に移すのはあまりない事……いや、考えてみると彼はいつも私の事を思って行動してくれている。
「……総合的に見ると、松田さん優しいですよね」
「あ?」
「ちょっと、今最大限に褒めたんですけど」
「俺は元から優しい」
「はい、優しいです。でないと私をここに置いてくれませんよ」
「……急になんだよ、俺を殺しにきてんのか」
今思ったから言ったんです、と正直に言うと松田さんは一瞬固まったが「寝る」と言って部屋に入っていった。
何か怒らせてしまったのだろうか、私は褒めたつもりだったけど、もしかして昔好きだった人が私と同じ言葉を言ったのか。だとしたらとても軽率な言葉だったかもしれない。
結局次の日はいつも通りで、昨日の事なんか全く気にしていない様子だった。いつも通り歌を歌ってあげたら気分良くして仕事に行った。最近、松田さんの考えている事がよく分からない。
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sou(プロフ) - すごくすごく続きが気になる素敵な作品でした!!多分今後続きないのが残念で仕方ないです!!ここまで更新ありがとうございました! (2022年5月23日 21時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とてもゆっくりではありますが、空いた時間に投稿出来るよう頑張ります!今後もよろしくお願い致します! (2021年6月6日 10時) (レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2021年5月27日 13時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - 白露さん» コメントありがとうございます!更新ペースが以前よりも遅くなってしまい申し訳ないです…。隙間時間を見計らって更新していこうと思います!今後もよろしくお願い致します! (2020年8月12日 18時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。読んでいて楽しくてするする読めました。作者様も大変かと思いますが応援しています (2020年8月11日 23時) (レス) id: 1f971a81e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2020年6月29日 18時