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恐る恐る次の住人の顔を見る。
ショッピ様、茶髪に紫色の瞳を持ち紫色のライダースーツを着た男性。
もはや彼自身の容姿よりも謎の女性が現れるかどうかが私の注目の的であった。
やっぱり、現れた。
長い茶髪を持つ、ショッピ様の面影を残した女性が。
……それにしても、一体これはなんなんだ？
誰か凄い手品の技術を持つ人がこの写真を作ったのだろうか。
原理が理解できないまま私は好奇心のままにページを捲った。
まあ今はこのよくわからない仕掛けを楽しむ事にしよう。
次はロボロ様、というらしいが……
なぜこの人は面布をつけているのだろう。
さすがに今まであまり突っ込まずに来たけどこれは流石に見たことないぞ。
そしてやはり彼の写真の上に女の人の写真が浮かび上がる。
大正のお嬢様のような格好に大きなリボンでツインテールを纏めているが、フェイスベールのようなもののせいで顔はよく見えない。
女性の姿の時でも顔は見れないのか。
次の住人で最後のようだ。
エーミール様、見た目はいかにも紳士といった感じだが彼はどんな女性に変わるのだろう。
私の予想としては紅茶が好きそうな上品な淑女のような女性だ。
どこか幼少期に女の子の人形で遊んでいた時代を思い出しながら、私は答え合わせをするように写真をじっと見つめた。
「…………え」
確かに女性は映った、女性は映ったのだが。
「黒ギャル……？」
なぜか先ほどの紳士的なエーミール様からは想像がつかないような黒ギャルの女性だった。
今までの女性は皆住人の面影が残っていたのになぜここで壮大なイメチェンが起こったのだろう。
不可思議な現象もそれに馴染んで楽しんでいる自分もなんだか可笑しくて笑みが溢れた。
さっと書類を見返してみるがもう女性達の姿が映ることはなかった。
まあ楽しませてもらったし指摘するのも無粋だろうから心の奥底にしまっておこう。
そんな事を思いながら書類をまとめて机の上に置いた。
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作者名：たこやき | 作成日時：2023年12月17日 16時
