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……見間違い、か。どことなく鬱様に似ていたし随分と鮮明だったけどまあ疲れているのだろう。
そう思って次にゾム様を確認することにした。
ゾム様は顔写真だというのに緑色のパーカーを着ているせいで目元が見えない。
まあ格好が特徴的だからすぐに分かりそうだが、やはり顔が見えないとなるとそれだけで不審者のような印象を抱いてしまう。
そう思いながら写真を眺めていると、茶髪のボブになぜか釘付きバッドを持った綺麗な女性が浮かび上がってきた。
え、なんで、また。
そう思って今度は写真に顔を近づけて凝視すると元のゾム様の写真に戻ってしまう。
二人連続って、そんなことあるか……？
写真をいろんな角度から見てみるもののやはり特別な仕掛けがあるようには思えない。
不思議に思いながらも他の人の顔も確認していく。
グルッペン様、オスマン様、コネシマ様、シャオロン様の顔は把握できたが、さっきの二人のような不思議な現象は起きなかった。
というか名前を聞く限り、皆これあだ名しか明かしてくれない感じなのか。
流石に本名ではないよな、ここ日本だし。
次のページを捲るとチーノと書かれた人物と顔写真が出てきた。
水色のパーマがかった髪型とぐるぐる眼鏡がとにかく目を引く。
ゾム様やオスマン様にも言えるがどうしてしっかり顔が見える写真を撮ってくれないのだろうか。
まあ幸いにも皆格好が分かりやすいので多分顔が見えても誰が誰かはすぐ分かると思うが。
そんな事を思いながら次の人に視線を移そうとした時だった。
──確かに映ったのだ。いや、今も映っている。
姫カットされた水色の髪に四角い眼鏡をかけたオレンジの瞳を持つ女性が。
完全にチーノ様の面影を残したような女性がそこにはいた。
血縁関係どころか、本人が女性になったらこうなんだろうなと思えるぐらいに似ている女性だ。
やはり先ほどの二人も見間違えではなかったのだ。
一体何の力が作用しているのか何かの悪戯なのかは分からないが、確実に彼らに似た女性が映っているのだ。
逆に他の六人がなぜ映っていないのかは分からないが、これが私の幻覚ではないことは現実味を帯びてきた。
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作者名：たこやき | 作成日時：2023年12月17日 16時
