検索窓
今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:396,688 hit

第3夜 ページ3

こんな関係…って言ってもよくわからないから思い出してみよう。この関係が始まった、あの日のこと。









あの日は、雪が積もった山かなんかにロケで来てたんじゃないかな。麓にある小さなコテージで、2、3人ずつ泊まった。


「…なんで伊野尾ちゃんとなの、最悪」

それ、こっちの台詞。なんて言うほど、おれは山田が嫌いじゃなかった。
だからって、山田にそう言われて傷ついたわけでもないけど。


「いーじゃん、今日だけだよ」


そう声をかけても、山田は怒ったように顔をしかめていた。

原因はおれのことだけじゃない。その頃、山田はほとんど機嫌が悪かった。忙しかったからかもしれない。


「…伊野尾ちゃん、嫌い」

「そっか」


おれはてきとーにそう答えて、スマホをいじっていた気がする。横目でたまに、整った山田の顔を見ながら。

第4夜→←第2夜



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (468 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1064人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鎖空 | 作成日時:2017年3月21日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。