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第3夜 ページ3
こんな関係…って言ってもよくわからないから思い出してみよう。この関係が始まった、あの日のこと。
あの日は、雪が積もった山かなんかにロケで来てたんじゃないかな。麓にある小さなコテージで、2、3人ずつ泊まった。
「…なんで伊野尾ちゃんとなの、最悪」
それ、こっちの台詞。なんて言うほど、おれは山田が嫌いじゃなかった。
だからって、山田にそう言われて傷ついたわけでもないけど。
「いーじゃん、今日だけだよ」
そう声をかけても、山田は怒ったように顔をしかめていた。
原因はおれのことだけじゃない。その頃、山田はほとんど機嫌が悪かった。忙しかったからかもしれない。
「…伊野尾ちゃん、嫌い」
「そっか」
おれはてきとーにそう答えて、スマホをいじっていた気がする。横目でたまに、整った山田の顔を見ながら。
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作者名:鎖空 | 作成日時:2017年3月21日 13時