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臣「悪かったよ、マジで。
おわびに奢ってやる。
何でも食っていいよ」



そう言った臣さんが、メニューを取って
Aさんの前に差し出した。

隆二さんと臣さんに挟まれて
窮屈そうなAさん。

居心地悪そうに視線をきょろきょろさせて
「いえ、そんな、とんでもないです」と呟く。



臣「いいって。
腹減ってないんなら飲み物頼めよ。
何がいい?」

隆「おごってもらいな。
臣はそんだけのことをしたよ」



両側から次々話しかけられたAさんが
困ったように俯く。

するとそこへ、エリーさんがやってきた。



エ「なに、お前ら。
寄ってたかって女の子いじめてんの?」

健「いやいや、何もしてないっすよ!
何飲む?何頼んでもええで!って
言うてるだけっす」



眉を寄せたエリーさんが、
俺らの皿を重ねて下げてくれる。

「大丈夫?」と聞かれて、Aさんは頷いた。



「あの、おごっていただけると言われて
申し訳なくて……」

エ「あーもうそんなん全然気にしなくていいよ。
おごらせちゃいな。何にする?」



そう聞かれて、Aさんは困った顔のまま
「じゃあ……アイスコーヒーを」と注文した。



臣「そんなんでいいの?
このクリーム乗ってるやつとかうまそうじゃん」

「甘いの苦手で……」

エ「じゃあミルクもガムシロもいらない?」

「はい、ブラックでお願いします」



Aさんの注文を聞いて
エリーさんは「オッケー」と
陽気に去っていった。

Aさんが制服を脱ぎかけたのは
見られてなかったようで、安心する。

あんなことさせたのがバレたら確実に出禁だ。



隆「俺ブラック無理だ。
かっけーなと思って挑戦したことあるけど
無理だった」

臣「俺も。お前ブラック飲めるとかすげーな」

「甘いのダメなんです、本当に。
あと生クリームも苦手で」



Aさんの言葉に、全員が目を剥いた。

生クリームを嫌いな人間が
この世にいるなんて考えたこともなかった。

じゃあこの子はケーキもお菓子も苦手なのか。

味覚がおかしい。



やがてエリーさんが持ってきてくれた
アイスコーヒーを、
Aさんはうまそうに飲んだ。

真っ黒な苦いだけの液体なのに。



隆「……Aさんてさぁ、変だよね」

「よく言われます……」



いくら吹奏楽がやりたいからって
見ず知らずの俺らに
あれだけの熱意で迫って来れる時点で変人だ。

その勇気には、感服しないでもないけど。

第2章 マウスピース練習→←8



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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - 如月庵さん» コメントありがとうございます!私も書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてとてもうれしいです(T_T)今はまだ迷い中ですが、心が決まったら更新再開しますのでその時はよろしくお願いします♪ (2018年12月2日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
如月庵(プロフ) - はじめまして。作品、楽しく読ませていただいてます。私はラブが無くても、この男子4人のワチャワチャな青春な感じが好きですよ!なつめさんの納得がいく展開を自分のペースで綴って下さい。楽しみに待ってます。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: c866dac814 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!私もわちゃわちゃ書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてうれしいです(T_T)まだ迷ってるので時間かかりそうですが、お待ちいただけるとありがたいです! (2018年11月26日 15時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - こんばんは!こちらの話はまだラブが出てこない感じですが、4人のわちゃわちゃ感が好きです!!移行後もたのしみにしてます!! (2018年11月25日 19時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月12日 17時

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