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いつものようにエリーさんの店で
ハンバーガーセットを注文し、
食いながらみんなでだべっていると
カランコロン、とドアベルが鳴った。

そちらを向くと
眼鏡に黒髪お下げの女の子が立っていて、
ほんとに来たのかと驚いてしまう。



健「……あれ、あの子、」

隆「Aさんじゃん。どうしたの?」



隆二さんがそう声をかけると
Aさんは震えながら俺を見た。

その縋るような視線に気づいた臣さんが
「お前、ここのこと教えたの」と睨んでくる。



岩「いやーなんかしつこかったし、」

臣「何やってんだよバカじゃないの。
何で教えんだよ」

隆「まあまあ、臣。
あんなに震えてるのに可哀想だよ。
Aさん、おいで」



そう言われて、Aさんは震えながらも
俺らの席までやってきた。

テーブルの上に学校指定のリュックを置き、
中から小さなスピーカーを取り出す。



健「自分、何やってんの?」

「一回みなさんに聴いてほしいと思って……
すごく綺麗な曲なので」

臣「いや俺らそういうの興味ないから」



臣さんが睨んでいるのにも気づかないくらい、
Aさんは必死だ。

何でそこまで俺らにこだわるんだろう。

俺らはやらないと言っているのに。



スマホと小さなスピーカーを接続した
Aさんが、曲をかけはじめた。

流れたのは何というか、
優雅というか貴族が聴いてそうというか、
とにかく俺らには眠たくなるような類の曲で
アメリカンな店内には
あまりにもそぐわない感じで、
思わず笑いそうになってしまう。



「すごく綺麗でしょう?
でも、そんなに難しくないんです。
冬まで練習すればアンコンに充分間に合います」

臣「いや、だから……」

「お願いします!
みなさんしかいないんです。
小林先生に相談したら、
掛け持ちができない規則だから
他の部活の子に協力してもらうことは
できないって……
みなさんしか、頼れないんです。
どうしてもアンコン出たいんです。
お願いします。お願いします」



懸命に頭を下げるAさんを見つめる
隆二さんの目が、ウルウルしている。

これはやばいかもしれない。

この人見た目はこんないかついけど、
捨て犬や捨て猫を見捨てられないタイプなのだ。

弱い生き物をほっとけない
隆二さんの心の琴線に、
Aさんは触れてしまったに違いない。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - 如月庵さん» コメントありがとうございます!私も書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてとてもうれしいです(T_T)今はまだ迷い中ですが、心が決まったら更新再開しますのでその時はよろしくお願いします♪ (2018年12月2日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
如月庵(プロフ) - はじめまして。作品、楽しく読ませていただいてます。私はラブが無くても、この男子4人のワチャワチャな青春な感じが好きですよ!なつめさんの納得がいく展開を自分のペースで綴って下さい。楽しみに待ってます。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: c866dac814 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!私もわちゃわちゃ書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてうれしいです(T_T)まだ迷ってるので時間かかりそうですが、お待ちいただけるとありがたいです! (2018年11月26日 15時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - こんばんは!こちらの話はまだラブが出てこない感じですが、4人のわちゃわちゃ感が好きです!!移行後もたのしみにしてます!! (2018年11月25日 19時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月12日 17時

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