ユニゾン・ウェーブ

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俺とAが店に着くと、
3人はすでに注文を終わらせて
モリモリ食いまくっていた。



岩「ずりーっすよ！待っててくださいよ！」

臣「だって腹減ってたんだもん」

健「お前ら遅いから待ってられへん」

隆「これくそうまいよーAも食ってみ？」



きのこっぽいものを
フォークに刺した隆二さんがそれを差し出して、
Aが引いている。

それには構わず先に注文しようと思って
健二郎さんの横に座ると、
臣さんが立ち上がってAを押し込み、
また隆二さんとの間に座らせた。



「あの……」

臣「ん？」

「どうしてわざわざ真ん中に
私を座らせるんですか？」



勇気を出したらしいAが
臣さんにそう尋ねた。

すると臣さんはこともなげに
「お前の指定席だから」と答える。



臣「俺らいっつも座るとこ決まってんの。
手前左が健ちゃん、右が岩ちゃん、
健ちゃんの向かい側が隆二、その隣が俺」

「はぁ……」

臣「で、なんかお前最初
成り行きでここ座ったじゃん。
だから俺と隆二の間がお前の指定席な」



そう言われて、
Aはちょっとうれしそうな顔をした。

俺らの仲間になったってことを、
実感できたのかもしれない。



隆「何食う？ピザかパスタを頼むと
前菜とかサラダが食べ放題で
ドリンク飲み放題がつくから、
ここから選んだらいいよ」



隆二さんにメニューを差し出されたAが
「……じゃあ、マルゲリータにします」と
あっという間に決めてしまった。



健「はや！ほんまにそれでええの？」

「はい、好きなんです」

岩「えーちょっと待ってよ、俺も見して」



メニューを見せてもらうと、
ピザもパスタもうまそうだ。

どれにしようかなと目移りさせていると
「ピザにしーや」と横槍が入る。



岩「ええー、でもパスタもうまそうなんすけど」

健「ピザにしたらみんなで分けれるやんけ」

岩「いやもう健二郎さんたち
めっちゃ食ってるじゃないっすか！
俺の奪う気でしょ！」



3人が頼んだらしいピザは
もうほとんど残っていない。

なのに俺がピザなんか頼んだら
根こそぎ奪われそうだ。

だからパスタにしようと思っていたのに、
健二郎さんは注文を取りに来た店員さんに
「シーフードピザとマルゲリータで」と
勝手に頼んでしまった。

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