3 ページ4
次の日もまた、あの子はやってきた。
「岩田くん。
昨日の話、考えてくれましたか」
俺を廊下に呼び出したAさんが
小刻みに震えながら必死な顔で俺を見ている。
こんな状態の女の子の話を拒絶するとか、
俺が悪者みたいだ。
でもアンコンなんて意味の分からないもの、
やるつもりはない。
岩「考えるも何も、興味ないからやんない」
「……じゃあ！
興味持ってもらえるようにがんばりますから！」
岩「どうやって？」
「えーっと……吹奏楽のCD貸すとか？」
岩「絶対聴かない」
なんなんだこいつは。
こんだけビビってるくせに
何でこんな食いついてくるんだろう。
正直、話を聞くことすら面倒なのに。
岩「もういい？教室戻るわ」
「あっ、待ってください！
お願いします、
どうしてもアンコンに出たいんです！」
追いすがってきたAさんに、イラっとする。
その腕を取って、壁に押し付けた。
ビビってんならもっとビビらせて
諦めさせよう。
そう思って、顔を近づけて睨みを効かせる。
岩「しつこい。やんないっつってんだろ」
「……」
俺に睨まれたAさんが
目も口もぽかんと開けて固まった。
すげぇ表情だなと一瞬思って、ふと気づく。
Aさんは意外と綺麗な顔をしている。
眼鏡とお下げで気づかなかったけど肌は綺麗だし、
輪郭も目鼻立ちも整っていて
眼鏡とお下げをやめれば
化けそうだな、と思う。
岩「いいおもちゃ見つけたかも」
「……は？」
岩「どうしてもやってほしいんなら、
放課後『ELLY's Burger』に来いよ」
退屈な学校生活にちょっと起きた異変。
ならそれを楽しんでやろう。
軽い気持ちでそう思っただけだったのに
まさかあんな大ごとになるなんて。
その時俺は、全く考えてもみなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - 如月庵さん» コメントありがとうございます！私も書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてとてもうれしいです(T_T)今はまだ迷い中ですが、心が決まったら更新再開しますのでその時はよろしくお願いします♪ (2018年12月2日 20時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
如月庵(プロフ) - はじめまして。作品、楽しく読ませていただいてます。私はラブが無くても、この男子4人のワチャワチャな青春な感じが好きですよ！なつめさんの納得がいく展開を自分のペースで綴って下さい。楽しみに待ってます。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: c866dac814 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます！私もわちゃわちゃ書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてうれしいです(T_T)まだ迷ってるので時間かかりそうですが、お待ちいただけるとありがたいです！ (2018年11月26日 15時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - こんばんは！こちらの話はまだラブが出てこない感じですが、4人のわちゃわちゃ感が好きです！！移行後もたのしみにしてます！！ (2018年11月25日 19時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつめ
| 作成日時：2018年11月12日 17時
