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臣「コンクールって何?」
「……元は、コンクールに
出たかったんです。
夏にある、吹奏楽コンクールの
地区大会なんですけど。
でも5人じゃ人が足りなさすぎてできないし、
だから冬のアンコンにしようかと」
隆「へー、そうだったんだ……」
そういえば、Aは中学の時
コンクールのために練習していたのに
吹奏楽部をやめさせられて
出られなかったと言っていた。
本当は、コンクールに出ることで
その時の後悔を昇華させたかったんだろう。
直人「ねぇなんかやってよー。
せっかく来たからなんか聴きたい」
臣「いや、俺ら全然
まだそんなレベルじゃないっす」
健「こん中で人に聴かせられる
演奏ができんのは、Aだけっすわ」
健二郎さんの言葉を聞いた直人さんが、
Aに期待の目を向ける。
それに気づいたAが苦笑して
「では」とフルートを構えた。
明るく弾むような、美しい音色。
聴いたことはあるけど、
何という曲かは分からない。
でも、やっぱりAのフルートの音は綺麗だ。
あの直人さんですら、聴き惚れている。
直人「すげー!えっプロ?プロだよね?」
「いえ……私なんて全然、」
直人「いやめちゃくちゃうまいよ!
なんていう曲?
聴いたことあるなって思ったけど分かんなくて」
「メンデルスゾーンの『春の歌』です」
曲名を聞いても分からなかったけど
綺麗な曲だった。
Aが吹いてくれる曲は
いつもこういう穏やかで美しい曲ばかりで、
たぶん本人が好きなのだろう。
Aそのものみたいな、
澄んでいて綺麗な演奏。
直人「こんだけ吹けたら、
コンテストとかも出たいよねそりゃあ。
お前ら足引っ張んなよ」
岩「引っ張る予感しかしません」
俺の言葉に、直人さんが大ウケしている。
だけど、冗談じゃなくこれはマジだ。
俺らがAと同じクオリティまで
演奏できるようになるとはとても思えない。
それくらいAはうまいし、俺らはヘッポコだ。
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なつめ(プロフ) - 如月庵さん» コメントありがとうございます!私も書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてとてもうれしいです(T_T)今はまだ迷い中ですが、心が決まったら更新再開しますのでその時はよろしくお願いします♪ (2018年12月2日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
如月庵(プロフ) - はじめまして。作品、楽しく読ませていただいてます。私はラブが無くても、この男子4人のワチャワチャな青春な感じが好きですよ!なつめさんの納得がいく展開を自分のペースで綴って下さい。楽しみに待ってます。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: c866dac814 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!私もわちゃわちゃ書いていてとても楽しいので、そう言っていただけてうれしいです(T_T)まだ迷ってるので時間かかりそうですが、お待ちいただけるとありがたいです! (2018年11月26日 15時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - こんばんは!こちらの話はまだラブが出てこない感じですが、4人のわちゃわちゃ感が好きです!!移行後もたのしみにしてます!! (2018年11月25日 19時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月12日 17時