【忍たま】君の想いは花筏【共通話１】 (ページ39)

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其の参（八左ヱ門視点）ページ39

「俺もそんな感じで思ってる。Aはもう大切な仲間の一人だからな！！」

そう言うと、どうしてだかフイと顔を背けた。

「どした？」

「いやぁ〜…仲間って言われて嬉しくて照れちゃって〜」

「そうなの？よっと」

気付かれずに後ろから回り込んで顔を覗き込んだ。照れた顔を覗いてやろうというほんの悪戯のつもりだったんだけど。

Aが瞳に涙をいっぱい溜めてた。

「あっ、ちょっ、見ないでよ！」

目が合うとまた顔を逸らされた。
泣いてるのって、仲間って言われて嬉しいからだよな？
そんな些細な言葉でさえも涙腺を緩くしてしまうくらい感受性の豊かな子なのか、それとも一昨日から色々気を張ってたのか…。

「大丈夫。俺の前では泣いていいから」

「〜〜〜〜……」

頭を優しく撫でてやるとへたり込み、地面にぽたぽたとしみを作った。

「無理してたんだなぁ。一昨日から色々あったもんなぁ。一人で心細かったよな、よく頑張ったな！」

俺より年上なのに、俺より一回り小さくて華奢な背中が小刻みに震えた。頭を撫でていた手を背中に動かして、上から下にまた撫でてやると、少しずつ落ち着いてくる。

「うう…ありがとう八左ヱ門。あなたには昨日から良くしてもらってばかりで」

「何言ってんだよ、俺がしたくてしてる事だからさ！もっとAの事知りたいし！」

ニカっと笑うと、Aも同じように笑ってくれた。

「…私も八左ヱ門の事知りたい！」

「んじゃまたこうやって話そうな！」

「うん！授業頑張ってね！」

ちょうど予鈴が鳴って俺達は立ち上がり、別れた。