其の陸（三郎視点） ページ50
食堂のおばちゃんの殺気が何かの行動に現れないうちに私達はご飯を掻き込んで、下膳する際に「大変美味しかったです。ご馳走様でした」と
「で、何だったっけ。一人で町へ行かせるべきか否か？」
「ああ。俺は行かせたくないんだが、それだと仲直り出来ない気がする。そもそも一人に拘らなくても良くないか？」
「どうして一人で町へ行きたいのか、Aに理由は聞いたのか？」
「いや。だが女子なら一人で買い物したい時もあるんじゃないか？」
「そんな理由ならAは素直に改めると思うがなあ？やはりお前の為じゃないのか？」
「俺の？」
「例えばAがお使いを頼まれて町へ行く必要がある時、お前は委員会活動中だったとする。そこでAが他の忍たまに供を頼んだら、お前は嫌な気持ちになるだろう？」
「…まあ、予め誰と行くかを報告があれば心象はだいぶ変わるが…」
「そもそも、Aは八左ヱ門以外の男を連れて町へ行くのに抵抗があるんじゃないか？」
ぴく、と八左ヱ門が反応する。
「お前の事を好き過ぎるあまり、悲しませるようなことはしたくないと一人で町へ出たんだ。今までAみたいな年齢の女子が一人で町歩きしているのを見ているだろうし、学園長先生が許可されたならまず問題ないと思ったんだろう」
「そっ、そうなのか！？」
「いや知らん、全て私の勝手な推測だ。しかし当たっていればお前の為に良かれと思って起こした行動が頭ごなしに全否定されたことになる。であればAが気の毒だと思うが」
Aを取られた側だっていうのに、こうやって悩みを聞いて助言してやるなんて私はとんだお人好しだな。
「俺の為だったとしたら、酷い態度取ったよな…」
Aと付き合ったのが先輩か後輩だったらこれ好機と行動するかもしれんが、他でもない級友・竹谷八左ヱ門だからな。憎しみより応援したい感情が強いあたり、五年間で培ってきた友情というのはなかなか強固なものらしい。
「八左ヱ門」
突然、今まで黙っていた雷蔵が呼ぶ。
「ずっと話を聞いて考えていたけど、根本的な問題はそこじゃないと思う」
自分の抱える悩みについて考えていたのだと思っていたが、どうやらそういう訳ではないようだ。
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
