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町へ行きたいの段 ページ41

「んんー!美味しいーっ!」


「ヘムヘムーッ!」


「そうじゃろうそうじゃろう、儂の気に入りの店の新作の菓子じゃ!」


土井先生の予想通り、私は学園長先生の庵でとっても美味しいお茶菓子を頂いている。
竹林が目にも爽やかで、時折鳴る鹿威しのカコンという音が耳に心地よい響きを残す。


「でもどうされたんですか?私と話したいなんて」


「秋晴れの陽気にあてられたのか、今日は何も手につかなくてな。いっそ何もしないことに決めたんじゃが、それはそれで暇を持て余してしまってのう。それでたまにはお主の近況でも聞いてみようと思ったのじゃ」


「私の近況ですか?お暇を潰せるほど面白くないと思いますけど…」


「そんな事はない!竹谷八左ヱ門とはどうなった!?」


「へっ!?八左ヱ門ですか…!?」


学園長先生はにんまりしている。私達の関係性について絶対知ってるって顔だよね?


「…お付き合いをする事になりました…」


「ほー、それは良かったのう!竹谷八左ヱ門はお主と町に行く直前、この庵に来た時には既にお主の事を気に入っておったからな。竹谷の気持ちがようやく身を結んだんじゃな」


「え、それってだいぶ前の事ですが…」


学園長先生はウム、と頷いた。まさかそんな前から私のことを気にしていたなんて。


「それはそうと、お主もこの時代にやって来て二つほど季節が過ぎた。ここの生活様式にはもう慣れたじゃろう。どうじゃ、何かやってみたいことなどあるか?」


「やってみたいこと?」


薬作りは伊作君とやったし、火縄銃は撃ってみたいけれど重くて一人で持てないし、手裏剣打ちは小学生くらいの時に体験した気がするし…。


「……あ!学園長先生、何でもいいんですか?」


「とりあえず言ってみなさい」


「私、町へ行きたいです!!一人で!!」


「一人で?その理由は?」


「自分の都合で町へ行く時、誰かをお供にすると気が引けますが、一人で行けたら気兼ねなく出掛けられますし、この時代での暮らしがもっと豊かになると思うんです!」


「今まで町へは誰と何度行った?」


「ええと…八左ヱ門と一回、勘右衛門と一回、利吉さんと二回、乱太郎君きり丸君しんべヱ君と一回、仙蔵と一回、それから夏休み中に兵庫水軍の白南風丸さんと一回、照星さんと一回で…恐らく八回ですね」


数えてみると案外たくさん行ったなあと思う。そのどれも楽しかったけれど、今後の為にも一人でも行けるようになっておきたい!

其の弐→←其の肆(半助視点)



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設定タグ:忍たま , RKRN , 竹谷八左ヱ門   
作品ジャンル:アニメ
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります!! (2月4日 16時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください!!!! (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年12月29日 15時

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