其の参 ページ31
「ふう…我ながら完璧だわ！」
ユキちゃんのやり切った表情に、トモミちゃんもおシゲちゃんも自信ありげに頷いた。
“ 今晩のお風呂はくのたま側へお越し下さい！”
昼間にそう言われたのでありがたくお風呂をお借りして、脱衣所を出ると三人が待ち伏せていた。そして彼女達の部屋へと連れて来られて色々と施されたのだ。
「襟を抜いて大人の色気を出して〜、」
「ヒエェ！はしたない女に見えない！？」
「香油も使いましょ！Aさん、どちらの香りがお好みですか？」
「んーと…こっちかな。って、たまごとは言え忍者と会うのに匂いのするものって大丈夫！？」
「髪はお団子にして簪で留めましょう！後毛を出して…これでよし！」
「わあ！人生初の簪だ〜！！綺麗〜！！」
──というやり取りを経てしっぽり湯上がりいい女風の私が爆誕した。
そしてご丁寧に、色っぽい仕草の指導までしてくれて、ありがたいやら申し訳ないやら。
心配していた襟も抜き過ぎず詰め過ぎず自然な具合。香油も付けたのは少しだけで、たまにふわっと柔らかく香るだけ。ちゃんと心得てるわこの子達……。
「ねえ、君達幾つだっけ？」
「十一歳です！」
十一歳に教わる私、十六歳です。こちらの時代では女は十六から大人扱いです。
「これで竹谷先輩も手を出さずにはいられませんよ！」
「色気の出し過ぎで襲われないようにして下さいねっ！」
「いい報告お待ちしてましゅ〜！」
せっかくくのたまちゃん達が手間をかけて仕上げてくれたんだから、手を繋げるといいなぁ。
八左ヱ門の部屋の近くまで来ると、彼の部屋から話し声が聞こえてきた。
「イナゴを美味しく調理するコツは糞を出し切ることだ！三日間絶食させてから調理すれば、乾煎りにしても飴炊きにしても何でも美味いぞ！」
「へえー！」
どうやら後輩に生物の講義中らしい。相手は乱太郎君かな？
生物のことを語る八左ヱ門は生き生きしていて、私まで嬉しくなる。
物音を立てないようにそっといつもの場所へ腰掛け、次から次へと流暢に語られる虫の話をしばらく聴いていた。
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
