其の参（八左ヱ門視点） ページ4
「う、嘘だ……本当に！？」
思わず三治郎の肩をがしりと掴む。
Aには匂わせるような言動もしたけど、そこまで広く知れ渡るような方法は取っていなかったと思うが…？
「恐らく知らないのはAさんくらいだと思いますが」
「特に下級生には隠してきたつもりだったんだがなぁ…」
そうか。俺は分かりやすかったのか…。
確かにAと町に出る前、学園長先生に分かりやすく反応するなと注意はされた。それはかつてのレジェンドであるが故に気付かれてしまった部分もあるだろうと思っていたが、後輩にまで気付かれるとは、いよいよ忍者失格じゃないか！？
「虎若も最初は竹谷先輩を応援してたんです。でも照星さんのお気持ちを知ってから少しずつ揺らいでしまって……」
「いや、それは別にいいんだ！虎若にとって照星さんは憧れの人だし、俺も虎若の立場なら照星さんを応援するだろうから」
個人的な悩みの種ではあるが、致し方ない事だと割り切っているつもりだ。だから、照星さんの名が出たらなるべく二人の会話を邪魔しないよう、こうして小屋の中へ入るのだ。
「…竹谷先輩、今からお伝えする話は先輩にとって酷でしょうが、これは先輩を思って僕からの忠告です！」
三治郎は急に真剣な表情で語勢を強めた。
「ちゅ、忠告？」
「竹谷先輩、他の先輩方に“敵じゃない”って思われてるそうですよ！だからAさんが生物小屋に入り浸っても他の上級生はさほど焦ってないそうです！」
「んなっ！？」
「最初の頃から想いを寄せてそうなのに、それをご本人に伝えたり具体的な行動に移している形跡がないから、だそうです。
うかうかしていると他の誰かと結ばれちゃいますよ！！」
確かに、周りでは誰が想いを告げたとか、はたまた求婚したとかいう話はちらほらと聞く。
対して俺は、夏休みに虎若に連れられてAを見舞った時、Aのことを“大切だ”とは伝えたが、それ以上のことは言うのを控えた。
俺とて焦っていない訳ではないが、急いてもいい結果は得られないと思っていたから静観していたんだが。
「しかし三治郎、その情報は一体どこから仕入れて来たんだ…？」
「は組の教室です。誰がAさんを射止めるか、半ば委員会対抗戦のようになっていて、他の委員会での先輩の発言などが耳に入って来るんです」
なるほど、言い方は悪いが委員会の先輩を使って張り合ってるってとこか。
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
