其の弐 ページ30
「最近、竹谷先輩とお付き合いを始めたと噂で聞いていましたけど…」
「付き合いたてとは思えないくらい拗らせてますねぇ〜〜〜？」
「ううっ。恥ずかしいから聞かなかったことにしてくれない…？」
「それは無理ですね〜。Aさんが悩んでいるのに放っておけないです！」
私の前に腰を下ろす三人。私のしょうもない呟きに付き合ってくれるなんて良い子達だわっ！
「Aさんは恋人としての進展がないことにお悩みなんでしゅね？」
「うん…悩みって言うほど大層なものではないけどね？ちょっと寂しいかなーくらいの感じで」
「遠目からでも十分悩んでましたけど？」
つまり私が悩んでいそうだと思ってわざわざ近付いてきてくれたと。ますます良い子！！
「竹谷先輩って恋愛経験値はゼロで、女心に疎くて、初心で奥手ってイメージですけど、大体そんな感じで合ってます？」
「たぶん合ってる！！」
「ふふ！あらゆる男達に攻略対象にされてきたAさんにとっては物足りないですよね？」
「それはちょっと語弊があるような！？」
「私達が叶えるお手伝いして差し上げます！Aさんが望む展開は何ですかぁ？抱擁ですか？それとも接吻ですかぁ〜？」
「私達、毎晩お風呂上がりに話してるんだけどね、」
「ふむふむ」
「その時に…」
「うんうん」
「手を繋ぎたい、かな…」
こんな形で私の欲求を歳下に話すことになるなんて。恥ずかしさのあまり顔を覆った。
しかしユキちゃん達から返ってきたのは冷めた返事だった。
「え、冗談ですよね？あの人、お風呂上がりのAさんを目の前にして手を繋ぐこともしないんですか？」
「うん」
「それ、さすがに奥手すぎません？五年生なら色の実習も済んでると思いましゅけど」
「色の実習？」
「「おシゲちゃんっ！」」
「はう！ごめんなしゃい！」
色の実習というのは、誰と何をやるものなのだろう。既に終えたということは、八左ヱ門にはある程度の経験があるのかな？だとしたら…
「やっぱり私って女としての魅力ないんだ！」
「それはあり得ません！！だって数多の男が恋に落ちた女性ですよ！？噂によれば利吉さんまで！！そんな人が魅力ないなんて絶対にあり得ない！！」
「そうですよ！竹谷先輩がヘタレなだけです！」
「私達が必ず手を繋がせてみせましゅから大船に乗ったつもりでいてくだしゃい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
