其の参（八左ヱ門視点） ページ21
(あ…危なかった…！！もう少しで接吻してしまうところだった！！)
さすがに気が早いというか、手が早い男は嫌われるよな…！？鎖骨に吸い痕付けたとか、指を舐めようとしたとかで三郎は嫌われかけてたもんな。
それにがっついてるって思われるのもなんか恥ずかしいし…。
俺もタカ丸さんと夜間護衛当番の時、箍が外れてAの耳を甘噛みしたんだよなあ……。あの後謝り倒して事なきを得たけど、下手したらあそこで関係が壊れてたかもしれないし、やっぱり友達同士ではやらないようなことはきちんと許可を取ってからするべきだよな！！
脱衣籠の一つに俺の竹の葉柄の小袖と袴、ご丁寧に褌まで入れられていた。わざわざ俺の部屋から取ってきて下さったんだな。先輩、恋敵の褌持って来させてすみません。
「Aー、俺もう戻るからいつ出てもらってもいいぞー！」
風呂の戸に向かって叫ぶと、中からは「はぁーい」と、少し間延びした声が返ってきた。
(はぁ、俺の恋仲はただの返事すらも可愛いなぁ〜)
湯を最大限吸って重くなった衣をその辺で絞り、ほっこりした気持ちで五年長屋へと向かう。
「竹谷先輩っ！！」
すると待ち伏せていたように生物委員会の後輩達が俺に詰め寄った。一平は目を潤ませている。
「そうか、お前達も心配だったよな！生物達は大丈夫だ！今食満先輩が生物小屋の戸を補強して下さっているからな！」
「そうじゃありません！生物達はもちろんですが、僕達一平から話を聞いて、竹谷先輩が心配でここで待ってたんです！！」
「そうだったのか！？一平、勉強しとけって言っただろ…」
「すみません！Aさんにも“八左ヱ門を信じよう”って言われて一旦部屋に戻ったんです。だけどどうしても気になって、伊賀崎先輩に話したら、皆で先輩のお部屋の前で待っていようってことになりまして…」
「お、お前達…！俺の事を心配してくれてありがとなぁ！」
俺は後輩に恵まれているなぁ。一平、孫次郎、虎若、三治郎の順番に頭を撫でて、最後に孫兵の頭を撫でようとしたらフイと避けられてしまった。
「僕はいいですよ…！」
はっはっは。孫兵はそういうのが恥ずかしくなる年頃か？
「あ、そういえば先程善法寺先輩が竹谷先輩の着替えを取りに来られてましたが、随分不機嫌なように見えました。何かされたんですか？」
「げっ！まあ、ちょっとな…」
後輩達には頰をかいて誤魔化しておいた。
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
