其の弐（八左ヱ門視点） ページ3
「おはようございます！あ、Aさんやっぱり来てたんですね！」
「おはよう虎若君！」
先程、Aの二つの嬉しい変化について述べたが、同時に一つの悩みの種も発生している。虎若の存在だ。
勘違いしないで欲しい。虎若は生物をこよなく愛し、世話もきちんとする優秀な生物委員だ。俺が困っているのは虎若と繰り広げられる会話の内容だ。
「実は、照星さんからお返事が届いて〜！今度の連休、忍術学園にお越し下さって、そのうちの一日は僕に火縄の稽古をつけて下さることになってぇ〜！！」
「わー！良かったね！照星さん来られるなら私も少し挨拶してもいいかな？」
「それどころか末文に“Aと町に出たいので取り次いで欲しい”とあったんですが、ご都合いかがですか！？」
「そうなの？もちろん大丈夫だよ！」
「分かりました！ではそのように返事を出しておきますね！！」
虎若がAに照星さんの話ばかりするのだ。
何でも、園田村で再会した際に照星さんがAに求婚し、それを耳にした虎若のお父上が“Aと結婚すれば佐武衆の副頭領に据える”とかなんとか仰って、照星さんもその気だとか。
照星さんは現在、佐武衆の客分という形で、いつまた出ていかれるか分からない。それがAとくっ付けば村を出て行かなくなるという事で、虎若は一生懸命なのだ。
「は〜…楽しみだなぁ〜」
「は〜…参ったなぁ……」
しまった、つい本音が口に出てしまってた。
「竹谷先輩？何が参ったんですか？」
「あ、いや！こっちの話！」
虎若達には笑顔を見せて何でもない、と言って小屋の中へ引っ込んだ。
「竹谷先輩、元気出してください」
「三治郎…？」
屈んで作業する俺の肩を慰めるように叩く。小屋にそそくさと逃げ込む俺を追って来たようだ。
「お悩みってAさんの事ですよね」
「エッ！？」
思わず声がひっくり返った。
待ってくれ、俺はAの事を想っているとかいう話は生物委員にした事ないんだが…！？
いや落ち着け。俺の思っている内容じゃないかもしれない。まずは話を聞こう。
「どうしてAの名が出て来る？」
「どうしてって、竹谷先輩はAさんのことがお好きですよね」
「誰がそんな事を言っていた…？」
「別に聞いたという訳では…。先輩、当初からとっても分かりやすかったですけど……」
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玉虫厨子(プロフ) - 雪見だいふくさん» わ〜ありがとうございます💓今はペースゆっくりですが更新頑張ります！！ (2月4日 16時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく - この作品めっちゃ好きです〜更新大変だと思うけど、頑張ってください！！！！ (2月4日 11時) (レス) id: ebcac87da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月29日 15時
