【忍たま】君の想いは花筏【共通話８】 (ページ19)

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其の弍（照星視点）ページ19

「照星さんは忍たまから信頼されているとのこと。他言無用をお約束頂けるなら、一緒に解読して頂いた方が…」

内容が露見するのはなるべく避けたいが、解読されないまま滞在期間を終えるよりはいい、といった判断か。

「照星さんは口が堅いですから問題ありませんよっ！ね、照星さん！」

「妙なことに巻き込まれたくはないのだが…致し方ない。
それでは湯浴み後に文を持って私の部屋に来るように」

「わぁい！ありがとうございます！」

◆

「照星さぁん！宜しくお願いします！」

若太夫がやって来た。どうして彼はこんなに嬉しそうなのか。

「…では私が今から一字ずつ読み上げるから、若太夫は別紙に仮名(かな)で書いていくこと」

「はいっ！」

どうしても不可解な文字も幾つもあったが、それは虫食い文書の要領で当て嵌まる文字を想像し、半刻もする頃には一応の意味が分かる文章にはなった。

「…Aさんが、加藤村でタソガレドキの忍者に連れ去られそうになった…！？それを清八さんが防いだって、清八さんすごい！！
…じゃなくて、ここにもタソガレドキ忍者が来るかもしれないから用心しろってことか…。これは大変ですね照星さん…！」

「…………。」

「…照星さん？」

「若太夫。此処に書かれている事は本当かね？」

とある一文を指差した。

「ええっと？【尚、この件にてAさんが未来人である事が清八にも露見し、】ああ、そっか照星さんも知りませんもんね！ここだけの話、Aさんは未来から忍術学園へやって来たんですよ。それで身寄りが無いから休みの間、兵庫水軍と加藤村とうちで預かるんです！」

未来から来たなんて凄くないですか！？と目を輝かせて言う若太夫に目眩がするようだ。
未来人だと？馬鹿な事を言うな。仮にも忍者を志す者がそんな嘘に踊らされるなど…。
何が目的だ？佐武衆の戦力調査か？硝石を奪うことか？

「警戒した方が良さそうだ…」

「大丈夫ですよ！佐武村は普通の村とは違って入るのも一苦労ですから！何たって山のような火器や鉄砲、硝石を敵から守るための要塞になってますから、いくらタソガレドキの組頭だって簡単に入り込めやしません！」

何と楽天的な。その自信はどこから沸くのか。

「さあ、若太夫はもう休みなさい」

「あ、はい。ありがとうございました！」

未来人のA。
注視せねばならんな──。

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