其の肆 ページ9
とりあえず石火矢の話で【風流に取り入る術】だ！前に勘ちゃんと町に行った時にこういう術があるよって道中に色々教えてもらったんだよね。なんかほぼ心理学っぽい話だったけど。
「……兵庫水軍の軍船ならランタカ砲があると思います」
「へー！それはどんな石火矢なの？」
「砲身の中央に支柱があり、これを中心に左右に回転させられ、さらに仰角も容易に動かせるのであらゆる方向に発射できます」
「そうなんだ！結構遠くに飛ばせるの？」
「大型だと恐らく三町ほどは…」
「三町ってことは、前に三木の一町撃ちを見学させてもらった時の三倍の距離かぁ。結構飛ぶね！
あ、そうだ！虎若君のところにも行くんだ！石火矢がたくさんあるって言ってた」
「ではきっと照星さんにもお会いになるんですね」
「誰？もしかして憧れてる人？」
「ええ、そうです」
「過激な火器を扱わせたら忍術学園で一番の三木が憧れるような人だから、相当腕の立つ人なんだろうね」
「っ、……よして下さい」
おっ、少し照れた！あと一押しかな。
「ねえ、また石火矢を練習する時、見学させてくれる？」
「それはもちろん、構いませんが」
「やったー！約束だよ！」
大袈裟に喜んでみせると、三木は起き上がり、咳払いをした。
「私からも一つ、約束して下さい」
「何？」
「これ以上出茂鹿之助と接近しないで下さい。潮江先輩から昨晩の話を聞いてから、気分が悪くて仕方がありません。
さち子の砲撃許可も下りず、みすみす外に放ってしまったと思うと私は…」
「うん、分かった！私も鹿之助さんとの関係をはっきりさせないままこれ以上の事はいけないと思うから、そこはきちんとするね」
「宜しくお願いします！」
三木が幾分かすっきりした顔になった。お喋りして良かったな。
「そこまで心配してくれて、ありがとう」
「本当は明日からの兵庫水軍への逗留も心配なのですよ」
「本当、優しいなぁ三木は」
「……、優しさなどではありません」
何か言いたげな表情。しかし口を割るまいと唇は固く引き結ばれている。
「三木、」
「さ、寝ましょう！長距離の移動は大変ですから」
灯りを消す前、左手を確認すると守一郎は既に寝入っていた。だけど何となく狸寝入りに思えた。私と三木が気兼ねなく話せるように、と。
四年ろ組の二人は、豪快に見えてきっと私が思うより繊細なのだ。これから気に掛けてあげないとな。
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玉虫厨子(プロフ) - 炭酸さん» わ〜〜！めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます！！私もタカ丸さん出てくる場面は筆が走ります！まだ先の話になりますがいつかはタカ丸ルートも書きたいので、どうか気長にお待ち頂ければと思います。 (9月21日 8時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ああああああ面白すぎて一気に読んでました！！最高すぎます、神はここにいた、、、特にタカ丸君が出てきてくれる作品を今だに出会えてなくて、それがやっと出会えて！！しかも神作で！！！本当ありがとうございます！！大好きです！！ (9月15日 2時) (レス) @page30 id: 5dbdfb3851 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - れなさん» て、天才…！？恐縮です…！お気に召したようで私も嬉しいです。完結まで宜しくお願い致します！ (9月9日 2時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 文才天才すぎます、、めちゃくちゃ好きです、ときめきも笑いも盛りだくさんでとっても好きです、、これからも更新楽しみにしてます！完結までぜひついて行かせてください。 (9月8日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - コメ返ありがとうございます！鹿之助さんや清八さんなど他ではなかなか拝む事が出来ないキャラを出して下さるのもすごく感激です！キャラが出るたびワクワクして読ませて頂いてます！どうか玉虫様のご無理のないペースでお待ちしてます、これからも応援しています！ (9月7日 23時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年9月4日 4時
