【忍たま】君の想いは花筏【共通話６】

其の参（白南風丸視点） ページ37

「あのー、あまり軽々しくそういう事を口にされない方がいいと思いますよ」


Aさんは舳丸の兄貴のこと、まだ何も知らないからなぁ。
色々すっ飛ばしてるけど、ド真面目で言ってるんだよな、これ。Aさんにはこんな言い方悪いけど、裸を見た程度で求婚するとか、軽いどころか最重量級だよ。


「軽い気持ちで言っているつもりは無いんですが」


「ではちゃんとお断りしますね、ごめんなさい」


ああ〜〜！兄貴振られた！
せっかく男前なのに、性急なアプローチで台無しにした！


「……そうですか…。私の何がいけなかったか、教えて頂けますか…？」


「ええと…別にあなたが悪いって訳では無いんですが…。さすがにお名前も知らない、今初めて話した方とすぐに結婚は決められないです。願わくば好きになった人と添い遂げたいので」


「これは失礼しました。私は兵庫水軍水練の者、舳丸と言います。舟偏に理由の由と書いてみよしと読みます」


「舳丸さんですね。改めましてAです、よろしくお願いします」


「ところで、先程の求婚ですが、私とAさんが好き同士であれば問題ないという事ですか」


「そうですね、それだったら問題ないんじゃないでしょうか」


「分かりました。Aさんが私の事を好きになったら教えて下さい」


「……真面目に言ってます？」


「至って大真面目です」


Aさんはたじたじ、という感じ。何だろう、舳丸の兄貴って義丸の兄貴を反面教師にし過ぎてこうなったのかな？


「分かりました、好きになったらご報告しますね」


「はい、よろしくお願いします」


兄ぃ、これ、きっと報告ないやつだよ…。


「舳丸の兄貴、今から風呂入ります？火加減見ますけど」


「いや、いい。お頭が入ってるならご一緒しようと思っただけだから」


「分かりました、火消して来ますね」


「白南風丸さん、お風呂ありがとうございました！」


「いえいえー！」

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