其の参(間切視点) ページ33
「あれ、厠混んでるね」
「本当だな」
朝、網問と厠に行こうとすると、Aさんが並んでいた。
「網問!間切さん!おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう、ポンA〜」
「ポン?なんだそれ?」
「俺とAの二人だけの内緒〜」
昨日は険悪だったのに。仲直りしたのか。
「厠、こっちの個室は空いてるのでどうぞ」
「え?Aは厠待ちじゃないの?」
「うん、厠に入ってる疾風さん待ちだよ」
「オイ!A!!ちゃんとそこに居るだろうな!?」
「居ますよー!!」
まさか疾風の兄貴がAさんを待たせてるのか…!?
「疾風の兄貴、何かあったの?」
「実は、かくかくしかじかで…」
なるほど、お化け嫌いの疾風の兄貴の前でヌレオナゴの話をしてしまったらしいが、それよりも…
「Aさんの指に絡んでいた髪って、たぶん私のです…」
「「……え?」」
「昨日、Aさんが外で寝てしまったので、私が運んだんですが、その時にAさんが私の髪を掴んでらしたので」
Aさんの顔色がさあっと悪くなった。
「確かに、間切さんの髪色と同じでした…!私はなんて醜態を…!!申し訳ありません!!」
「いえいえ!髪なら大丈夫ですから、頭を上げて下さい」
「他にご迷惑お掛けしませんでしたか!?いつも忍たまに『寝相が悪い』って言われてて、お酒が入って眠ると輪をかけて酷いみたいで…!」
ん?いつも?酒が入ると酷い…!?
俺は思わずAさんの肩を両手で掴んだ。
「どう言う事ですか!?Aさんはいつも忍たまと一緒に寝ているって事ですか…!?」
「あっ!?いえ、それは何と言いますか…。変な意味ではなく、夜間護衛の演習みたいな?」
明後日の方向を見てしどろもどろに答えるAさん。
「忍たまの皆さんを悪く言うつもりはありませんが、あまりにも危険な行為です!!男は皆オオカミなんですから!!」
「…まあ、多少強引な忍たまもいましたが…」
「な、な、何されたんですかッ!?」
「しかしそれでも間切さんのご想像されているようなことはないかと!
……もしかして、昨晩私はやはり何か失態を…!?」
「いえいえ!それはありません!私の小袖を掴んでいたくらいで」
「わ〜やっぱりご迷惑をお掛けてしている〜!」
「それよりも多少強引な忍たまが何をしたのか、教えてください」
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玉虫厨子(プロフ) - 炭酸さん» わ〜〜!めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます!!私もタカ丸さん出てくる場面は筆が走ります!まだ先の話になりますがいつかはタカ丸ルートも書きたいので、どうか気長にお待ち頂ければと思います。 (9月21日 8時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ああああああ面白すぎて一気に読んでました!!最高すぎます、神はここにいた、、、特にタカ丸君が出てきてくれる作品を今だに出会えてなくて、それがやっと出会えて!!しかも神作で!!!本当ありがとうございます!!大好きです!! (9月15日 2時) (レス) @page30 id: 5dbdfb3851 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - れなさん» て、天才…!?恐縮です…!お気に召したようで私も嬉しいです。完結まで宜しくお願い致します! (9月9日 2時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 文才天才すぎます、、めちゃくちゃ好きです、ときめきも笑いも盛りだくさんでとっても好きです、、これからも更新楽しみにしてます!完結までぜひついて行かせてください。 (9月8日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - コメ返ありがとうございます!鹿之助さんや清八さんなど他ではなかなか拝む事が出来ないキャラを出して下さるのもすごく感激です!キャラが出るたびワクワクして読ませて頂いてます!どうか玉虫様のご無理のないペースでお待ちしてます、これからも応援しています! (9月7日 23時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年9月4日 4時